2019年7月13~14日に第19回日本men’s Health医学会が開催。本学会の目玉でもあるトークショーにフリーアナウンサーの川田 裕美氏(株式会社セント・フォース所属)を招き、学会理事長の堀江 重郎氏(順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学教授)と大会長の森下 竜一氏(大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学教授)の3名によるトークで会場内に盛り上がりをみせた。
今どき女性の求める相手とは?
昭和時代には“タバコ”が男の象徴だったと話す堀江氏と森下氏。禁煙時代を生きる川田氏にとって、理想とする男性像を両氏から質問されると、「過去に吸っていたけれど、“今は止めた”と聞くとステキに感じる」と、禁煙意識をもつ男性に好感を抱くとコメント。また、「若いうちから将来を見据え、食事や睡眠習慣などのライフスタイルを変えることができる方に魅力を感じる」とし、「女性が筋肉のようなビジュアルで惹かれるのは20代。年齢を重ねるにつれて子供のことを意識するようになるため、男性に惹かれるポイントが外見から内面に変化していく」と現代女性の心を代弁した。
これまで不妊といえば、女性の問題として取り上げられていたが、近年は男性不妊も問題視されている。川田氏は「男性側が不妊のチェック(ブライダルチェック)をする人が増えている。これに思いやりを感じる」と結婚を控える女性の視点でコメント。堀江氏は「その結果で破談になることもあるが、検査を受けることは重要。ただし、検査結果で将来をどうしていくのか、きちんと考えてから受ける必要がある」と、検査の価値と注意点について語り、川田氏は「検査を含め、結婚前から話し合える相手が理想」と語った。
テストステロンと人生観
結婚すると太る男性がいるが、この原因としてテストステロンの分泌低下が影響しているという。森下氏らが「幸せなのになぜ下がるのか」と驚きを示したのに対し、堀江氏は「テストステロン分泌に幸せかどうかは関係ない。テストステロンは特定の女性を射止めて目移りしなくなったら下がるもの」と、結婚後に急激に低下する理由を説明した。一方、女性の体重は、エストロゲン値の変動が影響するため、堀江氏は「結婚によって左右されないのでは」とコメントした。
そのほか、見た目でも個人のテストステロン値の高さが垣間見える指標として、堀江氏は「男性の場合、ネックレスやブレスレットをしている人のホルモン値は高い。なぜなら、自分を表現しようとする気持ちが強いから」と語った。
人間の活力であり生活の源となるテストステロンは、年齢とともに分泌量の低下が否めない。しかし、抗加齢医学により分泌維持や補充療法(現時点では保険適用外)は可能である。人生100年時代を迎えた今、テストステロン分泌低下と定年退職が同時期に訪れる日本において、定年後の約40年間にどんな生活を送りたいのか-食生活や運動、見た目などを今から見つめ直し、理想像を描いておくことがテストステロン維持の第一歩となりそうだ。
(ケアネット 土井 舞子)