地震大国の日本において、異常気象の常態化によるスコール、それに伴う洪水・土砂災害などが後を絶たない。このような災害時には、DMAT(災害急性期に活動できる機動性を持った トレーニングを受けた医療チーム)と呼ばれる災害派遣医療チームにより医療支援が行われる場合がある。 しかし、医療者一人ひとりが日頃から災害を意識し準備を行っていなければ、家族や患者、ましてや自らの命は救えないだろう。
そこで、ケアネットでは2019年7月に会員医師約200名を対象とし、「院内の災害対策」に関するアンケート調査を実施。医師たちの災害に対する意識や対策状況などの実態について、実情や意見を聞いた。
アンケート回答者の内訳
アンケートは2019年8月1~7日、ケアネット会員の医師を対象にインターネット上で実施。回答者の年代別内訳は50代が31%と最も多く、40代(28%)、30代(20%)、60代(14%)と続いた。このように今回のアンケートでは責任世代の回答が多く、具体的な対策を行っていると回答したのも、この年代が多かった。病床数別内訳は、200床以上が58%で最も多く、0床(20%)、100~199床(12%)、20~99床(6%)、1~19床(3%)、NA(2%)だった。
早めの休診連絡で患者を外の危険から守る
「自施設で災害対策を行っている」と回答した方の具体策内訳は、休診連絡(29%)が最も多く、その他(25%)、備蓄(20%)、処方対応(15%)、災害拠点病院(6%)、スタッフの保護(5%)と続いた。
具体的な対策の一例を以下に示す。
・インターネットで休診状況発表
・避難経路の確立
・備蓄食料、非常電源、災害対応チームの訓練
・薬剤の処方日数を10日分ほど増やした
・入院患者のための食料、飲料水の備蓄を増やした
・泊まれるように寝袋を用意した
また、大規模災害の場合、特定施設の問題ではなく地域の問題に発展するため、医療施設間、さらには地方自治体との連携が要求される。これを踏まえ、地域での災害対策の話し合い実施状況と実施時に話し合われた内容についても調査した。
この結果を含む、今回のアンケート調査の詳細データや自由記述で挙げられた具体的な理由は、CareNet.comに
掲載中。
(ケアネット 土井 舞子)