香港大学医学部のThomas Yau氏は進行肝細胞がんに対する1次治療として従来の標準治療薬のソラフェニブとニボルマブの効果を比較する第III相試験CheckMate-459の結果を欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で発表した。
CheckMate-459試験は切除不能な未治療の進行肝細胞がん患者743例が対象。この登録患者にソラフェニブとニボルマブを無作為に割り付けた。各群の詳細は以下のとおり。
・試験群:ニボルマブ240mg、2週ごと(372例)
・対照群:ソラフェニブ400mg、1日2回(371例)
・投与期間:病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで
・評価項目:
[主要評価項目]全生存期間(OS)
[副次評価項目]無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)、PD-L1発現と有効性の関連など
主な結果は以下のとおり。
・OS中央値はニボルマブ群が16.4ヵ月(95%信頼区間[CI]:13.9~18.4)、ソラフェニブ群が14.7ヵ月(95%CI:11.9~17.2)と両群間で有意差は認めなかった(ハザード比[HR]:0.85、95%CI:0.72~1.02、p=0.0752)。
・PFS中央値はニボルマブ群が3.7ヵ月(95%CI:3.1~3.9)、ソラフェニブ群が3.8ヵ月(95%CI:3.7~4.5)であった。
・奏効率(ORR)はニボルマブ群が15%、ソラフェニブ群が7%であった。
・完全奏効(CR)率はニボルマブ群が4%、ソラフェニブ群が1%であった。
・PD-L1発現率1%以上でORRはニボルマブ群が28%、ソラフェニブ群が9%であった。
・治療薬に関連した深刻な有害事象(AE)に関してニボルマブ群で新たな懸念は認められなかった。
・Grade3以上の治療関連AE発現率はニボルマブ群が22%、ソラフェニブ群が49%であった。
OSで有意差は示せなかったものの、今回の結果についてYau氏は「OS、ORR、CRでニボルマブ群はソラフェニブ群と比べ改善傾向を示した」と評した。
(ケアネット)