アッヴィ合同会社は、2019年11月22日、再発/難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)および小リンパ球性リンパ腫(SLL)の治療薬として、経口BCL-2阻害薬ベネトクラクス(商品名:ベネクレクスタ)を発売した。
ベネトクラクスはファーストインクラスの経口BCL-2阻害薬で、がん細胞で失われたアポトーシスの過程を回復させる作用がある。
今回の承認は、国内第I/II相試験 および、21ヵ国、389例の再発/難治性CLL患者を対象とした 多施設無作為化非盲検国際共同試験MURANO第III相臨床試験データに基づいている。
MURANO試験では、再発/難治性CLL患者において、ベネトクラクスとリツキシマブ併用投与群と、標準治療であるベンダムスチンとリツキシマブ併用群を比較。主要評価項目である無増悪生存期間において、ベネトクラクスとリツキシマブ併用投与群のベンダムスチンとリツキシマブ併用群に対する優越性が検証され、層別ハザード比:0.17(95%信頼区間:0.11~0.25)との結果なった。有効性副次評価項目では、ベネトクラクスとリツキシマブ併用投与群において全奏効率 92.3%を達成し、末梢血MRD陰性率(血液または骨髄中に残るCLL細胞が白血球 10,000個中1個未満)62.4%を達成した。
(ケアネット 細田 雅之)