納豆摂取と骨密度との間の直接の関連は知られているが、骨粗鬆症性骨折との関連については報告されていない。今回、大阪医科大学/京都栄養医療専門学校の兒島 茜氏らの研究で、閉経後の日本人女性において習慣的な納豆摂取が骨密度とは関係なく骨粗鬆症性骨折のリスク低下と関連していることが示唆された。The Journal of Nutrition誌オンライン版2019年12月11日号に掲載。
本研究は、納豆の習慣的な摂取と骨粗鬆症性骨折リスクとの関連を調査した前向きコホート研究。対象は、1996、1999、2002、2006年にJapanese Population-based Osteoporosis(JPOS)研究に登録され、ベースライン時に45歳以上であった閉経後日本人女性1,417人。登録時に、納豆、豆腐、その他の大豆製品の摂取について食事摂取頻度調査票(FFQ)を使用して調査した。骨折は1999年、2002年、2006年、2011/2012年の追跡調査で確認した。主要アウトカムは骨粗鬆症性骨折で、医師がレントゲン写真で診断した、強い外力によらない臨床的骨折とした。Cox比例ハザードモデルを用いて、ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を推定した。
主な結果は以下のとおり。
・1万7,699人年の追跡期間中(中央値15.2年)、172人の女性に骨粗鬆症性骨折が確認された。
・年齢、股関節の骨密度年齢について調整後、納豆摂取量が週当たり1パック(約40 g)未満に対するHRは、1~6パックで0.72(95%CI:0.52~0.98)、7パック以上で0.51(95%CI:0.30~0.87)であった。
・さらに、BMI、骨粗鬆症性骨折の既往、心筋梗塞または脳卒中の既往、糖尿病、現在の喫煙、飲酒、豆腐および他の大豆製品の摂取頻度、食事性カルシウム摂取について調整すると、1パック未満に対するHRは1~6パックで0.79(95%CI:0.56~1.10)、7パック以上で0.56(95%CI:0.32~0.99)となった。
・豆腐や他の大豆製品の摂取頻度は、骨粗鬆症性骨折のリスクと関連がなかった。
(ケアネット 金沢 浩子)