長期認知症リスクを予測するためのLIBRAスコア

現在のところ認知症の根治的治療は解明されておらず、認知症研究の焦点は予防戦略にシフトしつつある。オランダ・マーストリヒト大学のKay Deckers氏らは、修正可能なリスク(冠動脈疾患、糖尿病、高コレステロール血症、高血圧、うつ病、肥満、喫煙、運動不足、腎疾患)および保護因子(低~中程度のアルコール摂取、認知活動、健康的な食事)の12種をスコア化したLIfestyle for BRAin Health(LIBRA)スコアを用いて、アポリポ蛋白E(APOE)の対立遺伝子ε4を基にした遺伝リスクが高いまたは低い人における、中年期および後期の認知症および軽度認知障害(MCI)の予測精度について調査を行った。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2019年11月17日号の報告。
フィンランドのCardiovascular Risk Factors, Aging and Dementia(CAIDE)集団ベース研究の参加者を対象に、中年期(1,024例)および後期(604例)2回のLIBRAスコア測定を30年後まで実施した。確立された基準に従い、認知症およびMCIの診断を行った。性別および教育を調整したモデルにおけるLIBRAスコアと認知症およびMCIリスクの関連を評価するため、Cox比例ハザードモデルを用いた。
主な結果は以下のとおり。
・中年期の高LIBRAスコアは、30年後までの認知症(ハザード比[HR]:1.27、95%信頼区間[CI]:1.13~1.43)およびMCI(未調整HR:1.12、95%CI:1.03~1.22)の高リスクと関連が認められた。
・後期の高LIBRAスコアは、MCI(HR:1.11、95%CI:1.00~1.25)の高リスクと関連が認められたが、認知症(HR:1.02、95%CI:0.84~1.24)では認められなかった。
・後期の高LIBRAスコアは、APOEε4ノンキャリアにおいて、認知症の高リスクと関連が認められた。
著者らは「認知症予防において、修正可能なリスクおよび保護因子の重要性が確認された」としている。
(鷹野 敦夫)
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