新型コロナウイルス肺炎99例の疫学的・臨床的特徴/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2020/02/06

 

 中国・武漢市金銀潭医院のNanshan Chen氏らは、2019年新型コロナウイルス(2019-nCoV)による肺炎の疫学的・臨床的特徴を調べるため、自院の全症例について調査した。その結果、2019-nCoVは併存疾患のある高齢男性が感染するリスクが高く、急性呼吸窮迫症候群などの重症で致命的な呼吸器疾患を引き起こす可能性があることが示唆された。Lancet誌オンライン版2020年1月30日号に掲載。

 著者らは、2020年1月1~20日に武漢市金銀潭医院で2019-nCoVが確認された全症例について後ろ向き調査を実施した。症例はリアルタイムRT-PCRで確認し、疫学的、人口統計学的、臨床的、放射線学的特徴および検査データを解析した。アウトカムは2020年1月25日まで追跡。

 主な結果は以下のとおり。

・2019-nCoV肺炎の99例のうち、49例(49%)が海鮮卸売市場を訪れていた。
・平均年齢は55.5歳(SD:13.1歳)、男性67例、女性32例であった。
・リアルタイムRT-PCRにより、全症例で2019-nCoVが検出された。
・50例(51%)は慢性疾患を有していた。
・症状は、発熱82例(83%)、咳嗽81例(82%)、息切れ31例(31%)、筋肉痛11例(11%)、錯乱9例(9%)、頭痛8例(8%)、咽頭痛5例(5%)、鼻漏4例(4%)、胸痛2例(2%)、下痢2例(2%)、悪心・嘔吐1例(1%)であった。
・画像検査では、74例(75%)に両側性肺炎、14例(14%)に多くの斑状およびすりガラス状の陰影、1例(1%)に気胸が認められた。
・17例(17%)が急性呼吸窮迫症候群を発症し、そのうち11例(11%)が短期間で悪化し多臓器不全で死亡した。

(ケアネット 金沢 浩子)