COVID-19の感染急拡大を受け、厚労省による感染者の遺体取り扱いと埋火葬に関するガイドラインをまとめた。
【従事者側の注意点】
・医療機関等は、遺体が新型コロナウイルス感染症の病原体に汚染され又は汚染された疑いのある場合、感染拡大防止の観点から、遺体の搬送作業及び火葬作業に従事する者にその旨の伝達を徹底する。なお、その際は、伝える相手を必要最低限とするなどプライバシー保護にも十分配慮する。
・遺体の処置にあたる従事者は、ゴーグル(またはフェイスシールド)、サージカルマスク、手袋、長袖ガウン、帽子の着用などの個人防護具を着用し、作業後は確実に手指衛生を行う。
・遺体の体液等で汚染された場合は、0.05~0.5%(500~5,000ppm)次亜塩素酸ナトリウムで清拭
*、または30分間浸漬、アルコール(消毒用エタノール,70v/v%イソプロパノール)で清拭、または30分間浸漬する。消毒剤の噴霧は不完全な消毒やウイルスの舞い上がりを招く可能性があるため推奨しない。可燃性のある消毒薬を使用する場合については火気のある場所で行わない。
*血液などの汚染に対しては0.5%(5,000ppm)、また明らかな血液汚染がない場合には0.05%(500ppm)を用いる。なお、血液などの汚染に対しては、ジクロルイソシアヌール酸ナトリウム顆粒も有効。
【遺体の扱いに関する注意点】
・遺体全体を覆う非透過性納体袋に収容・密封することが望ましい。収容・密封後に、納体袋の表面を消毒する。遺族等の意向にも配意しつつ、極力そのままの状態で火葬するよう努める。
・非透過性納体袋に収容、密封されている限りは特別の感染防止策は不要。遺体の搬送を遺族等が行うことも差し支えない。
・火葬に先立ち、遺族等が遺体に直接触れることを希望する場合には、遺族等に手袋等の着用をお願いする。
【その他】
・新型コロナウイルス感染者の遺体は、24時間以内に火葬できるが、これは必須ではない。感染拡大防止対策上の支障等がない場合には、できる限り遺族の意向等を尊重する。
・感染者の遺体は、原則として火葬する(感染症法第30条第2項)。
(ケアネット 杉崎 真名)