未治療の転移を有する非小細胞肺がん(NSCLC)において、デュルバルマブおよびデュルバルマブ・tremelimumab併用と化学療法を比較した無作為化非盲検第III相MYSTIC試験の結果がJAMA Oncology誌2020年4月9日オンライン版に発表された。
・対象:未治療の転移を有するNSCLC患者(EGFR、ALK変異含まず)1,118例
・試験群1:デュルバルマブ(20mg/kg 4週ごとPDまで)
・試験群2:デュルバルマブ(20mg/kg 4週ごとPDまで)+tremelimumab(1mg/kg 4週ごと、最大4回),
・対照群:化学療法(プラチナ・ダブレット4~6サイクル)
・評価項目:
[主要評価項目]PD-L1陽性(TPS≧25%)患者の全生存期間(OS)(デュルバルマブ対化学療法、デュルバルマブ+tremelimumab対化学療法)、同患者の無増悪生存期間(PFS)(デュルバルマブ+tremelimumab対化学療法)
[探索的研究]血中腫瘍遺伝子変異量(bTMB)による評価
主な結果は以下のとおり。
・対象患者は、各群に無作為に1:1:1で割り付けられた。
・TPS≧25%の患者(488例)のOS中央値は、デュルバルマブ群16.3ヵ月に対し、化学療法群は12.9ヵ月であった(HR:0.76、97.54%CI:0.56~1.02、p=0.04[有意差なし])。
・デュルバルマブ+tremelimumab群のOS中央値は11.9ヵ月であった(対化学療法群HR:0.85、98.77%CI:0.61~1.17、p=0.20)。
・PFS中央値は、デュルバルマブ+tremelimumab群3.9ヵ月に対し、化学療法群5.4ヵ月であった(HR:1.05、99.5%CI:0.72~1.53、p=0.71)。
・bTMB 20/Mb以上の患者のOSは、デュルバルマブ+tremelimumab群21.9ヵ月に対し、化学療法10.0ヵ月と、デュルバルマブ+tremelimumab群で改善が示された(HR:0.49、95%CI:0.32~0.74)。
・Grade3以上の治療関連有害事象の発現は、デュルバルマブ群14.9%、デュルバルマブ+tremelimumab群22.9%、化学療法群33.8%であった。
(ケアネット 細田 雅之)