4月27日、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部は、「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養・自宅療養における健康観察における留意点について」の事務連絡を全国の関係機関に発出した。
この連絡では、新型コロナウイルス感染症(以下「COVID-19」と略す)の無症状原体保有者と軽症患者(以下「軽症者など」と略す)の宿泊療養および自宅療養で、軽症者などの状態が急変する可能性があることから、軽症者などの本人が自ら経過観察(セルフチェック)を行う際に留意すべき「緊急性の高い症状」と下記の項目に該当したときの対応を整理し、宿泊療養・自宅療養での健康観察の際に活用できるようにしたものである。
表情、呼吸状態、意識状態でチェック
具体的な手順として、経過観察(セルフチェック)を行う軽症者などの本人に対し、「緊急性の高い症状」の項目を伝え、併せて注意事項を伝えることが重要となる。
【緊急性の高い症状】 *は家族などが以下の項目を確認した場合
〔表情・外見〕
・顔色が明らかに悪い
*
・唇が紫色になっている
・いつもと違う、様子がおかしい
*
〔息苦しさなど〕
・息が荒くなった(呼吸数が多くなった)
・急に息苦しくなった
・生活をしていて少し動くと息苦しい
・胸の痛みがある
・横になれない。座らないと息ができない
・肩で息をしている
・突然(2時間以内を目安)ゼーゼーしはじめた
〔意識障害など〕
・ぼんやりしている(反応が弱い)
*
・もうろうとしている(返事がない)
*
・脈がとぶ、脈のリズムが乱れる感じがする
セルフチェックの回数は原則1日2回だが、軽症者などの症状や状態に応じ、1日3回(朝・昼・夜)または4回(朝・昼・夕・寝る前など)を目安として設定するほか、健康状態の聴取のために連絡する回数を1日2回に増やすなど、より症状の変化に留意して健康観察し、必要に応じてすみやかに医師に相談する。
上記の症状に該当したときには、看護師などからの定期的な連絡を待たず、次の窓口にただちに連絡する。
・宿泊療養の場合:宿泊施設に配置された看護師などへ
・自宅療養の場合:各都道府県などの連絡・相談窓口へ
また、セルフチェックのタイミング以外においても、上記の症状を認識したときは同様に窓口にただちに連絡するよう指示をしている。
(ケアネット 稲川 進)