COVID-19のアウトブレイクによる医師の不安やストレス、抑うつレベルへの影響について、トルコ・Istanbul Medeniyet UniversitesiのRumeysa Yeni Elbay氏らが調査を行った。Psychiatry Research誌オンライン版2020年5月27日号の報告。
COVID-19アウトブレイクにおける医療従事者の心理的反応と関連要因を評価するため、オンライン調査を実施した。調査内容は、社会人口統計学的データ、個別の労働条件に関する情報、Depression Anxiety and Stress Scale-21(DAS-21)のセクションで構成した。
主な結果は以下のとおり。
・調査対象442人中、各症状が認められた人数は以下のとおりであった。
●うつ症状:286人(64.7%)
●不安症状:224人(51.6%)
●ストレス:182人(41.2%)
・スコアの高さと関連していた要因は、女性、若年、独身、実務経験の少なさ、最前線での診療であった。
・一方、子供がいることは、各サブスケールスコアの低さと関連していた。
・最前線での診療に当たっていた医師において、DAS-21合計スコアの上昇と関連する要因は以下のとおりであった。
●毎週の労働時間の増加
●ケアするCOVID-19患者数の増加
●同僚や上司からのサポートレベルの低さ
●後方支援の低下
●COVID-19関連タスクでの技量に対する不安
著者らは「本調査結果は、世界中の社会に多大な影響を与える災害と闘う中で、医師のメンタルヘルスを守るために注意すべき要因を強調するものである」としている。
(鷹野 敦夫)