多発性骨髄腫に対する3剤併用(レナリドミド+ボルテゾミブ+デキサメタゾン:RVD)療法の有効性について、最大規模のコホートで長期追跡したアウトカムの結果が報告された。米国・エモリー大学のNisha S. Joseph氏らによる検討で、移植後患者の奏効率は90%近くに上り、リスクに留意した維持療法により、先例のない長期アウトカムがもたらされる可能性があることが示されたという。RVD療法は、移植治療の適格・不適格を問わず、導入療法としての有効性は高く、重宝するレジメンであることが示されていた。Journal of Clinical Oncology誌2020年6月10日号掲載の報告。
研究グループは、2007年1月~2016年8月にRVD導入療法を受けた、新規に診断された多発性骨髄腫の連続患者1,000例について検討した。
施設内倫理委員会が承認した多発性骨髄腫のデータベースから、被験者の人口統計学的および臨床的特性とアウトカムデータを入手。International Myeloma Working Group Uniform Response Criteriaに準じて奏効率と病勢進行を評価した。
主な結果は以下のとおり。
・全奏効率(ORR)は、導入療法後97.1%、移植後98.5%であった。
・移植後患者において、追跡期間中央値67ヵ月時点で、最良部分奏効(VGPR)または良好(better)の達成割合は89.9%であり、厳格完全奏効(sCR)の達成割合は33.3%であった。
・無増悪生存(PFS)期間の推定中央値は、全集団で65ヵ月(95%信頼区間[CI]:58.7~71.3)、高リスク集団で40.3ヵ月(同:33.5~47)、標準リスク集団で76.5ヵ月(同:66.9~86.2)であった。
・全生存(OS)期間の推定中央値は、全集団で126.6ヵ月(95%CI:113.3~139.8)、高リスク集団で78.2ヵ月(同:62.2~94.2)、標準リスク集団では未達成であった。
・5年OS率は、高リスク集団57%、標準リスク集団81%であり、10年OS率はそれぞれ29%、58%であった。
(ケアネット)