レンバチニブ、切除不能胸腺がんに国内申請/エーザイ

提供元:ケアネット

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公開日:2020/08/07

 

 エーザイとMSDは、マルチキナーゼ阻害薬レンバチニブ(商品名:レンビマ)について、日本において切除不能な胸腺がんに係る適応追加を申請したと発表。同剤は本年6月、当該適応で希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けている。

 本申請は、国内で実施された医師主導による非盲検、単群、多施設共同臨床第II相試験(NCCH1508試験)の結果に基づくもの。この試験では、1レジメン以上のプラチナ製剤による前治療歴のある胸腺がん患者42例が登録され、レンバチニブ単剤の有効性・安全性が評価された。

 主要評価項目である奏効率(中央判定評価)は38.1%(90%CI:25.6~52.0)であり、信頼区間の下限値が事前に設定した統計的基準である閾値奏効率10%を超えたことから、本試験の主要評価項目が達成された。主な治療関連有害事象(上位3つ)は、高血圧(88.1%)、蛋白尿(71.4%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群(69.0%)であり、既承認の適応と同様の安全性プロファイルであった。

 胸腺がんは、患者数が日本でおよそ140~200例程度と推定されており、極めて希少な疾患である。切除不能な胸腺がんに対しては、プラチナ製剤を含む1次療法が推奨されているが、2次療法以降は標準的な治療法が確立していないことから、依然として予後不良な疾患であり、新たな治療薬の開発が望まれている。

(ケアネット 細田 雅之)