2020年7月31日、米国食品医薬品局(FDA)は、第3世代EFGR-TKIオシメルチニブ(商品名:タグリッソ)による完全切除後の早期(Stage IB~IIIA)EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)への術後補助療法をブレークスルーセラピーに指定した。
この指定は、米国臨床腫瘍学会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で発表された第III相ADAURA試験のデータに基づくもの。この試験では、オシメルチニブによる術後補助療法は、統計的に有意で臨床的に意味のある無病生存率(DFS)の改善を示した(HR:0.21、95% CI:0.16~0.28; p <0.0001)。独立データ監視委員会は、2020年4月、その先例のない有効性の結果に基づき、2年早い試験の非盲検化することを推奨した。
NSCLCの患者の30%が治癒手術の可能性がある早期に診断されるが、再発頻度は高く、Stage IB患者では半数、Stage IIIA患者では4分の3以上が 5年以内に再発するとされる。
(ケアネット 細田 雅之)