未治療の進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)に対する、初回治療としての抗PD-1抗体ペムブロリズマブと化学療法(エトポシド+プラチナ:EP)の併用療法について検討した第III相プラセボ対照二重盲検無作為化試験KEYNOTE-604において、ペムブロリズマブ+EPはプラセボ+EPと比較して、無増悪生存(PFS)を有意に延長したことが報告された。ペムブロリズマブ併用群で、想定外の毒性はみられなかったという。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのCharles M. Rudin氏らによる検討で、著者は「示されたデータは、ES-SCLCにおけるペムブロリズマブの有益性を支持するものである」と述べている。先行研究で、SCLC患者においてペムブロリズマブ単独療法が抗腫瘍活性を示したことが報告されていた。Journal of Clinical Oncology誌2020年7月20日号掲載の報告。
試験では、適格患者を無作為に1対1で割り付け、ペムブロリズマブ200mgを3週ごと(最大35サイクル)+EP(最大4サイクル)またはプラセボ+EP(最大4サイクル)が投与された。
主要評価項目は、PFS(中央レビュー委員会評価)および全生存(OS)で、ITT解析にて評価した。副次評価項目は、客観的奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)であった。事前に規定した有効性のp値(片側検定による)は、PFSがp=0.0048、OSがp=0.0128であった。
主な結果は以下のとおり。
・被験者は453例で、228例がペムブロリズマブ+EP群に、225例がプラセボ+EP群に割り付けられた。
・ペムブロリズマブ+EP群は、PFSを有意に改善した(ハザード比[HR]:0.75、95%信頼区間[CI]:0.61~0.91、p=0.0023)。12ヵ月時点の推定PFS率は、ペムブロリズマブ+EP群が13.6%、プラセボ+EP群は3.1%であった。
・ペムブロリズマブ+EP群はOSを延長したが、有意差は示されなかった(HR:0.80、95%CI:0.64~0.98、p=0.0164)。24ヵ月時点の推定OS率は、ペムブロリズマブ+EP群22.5%、プラセボ+EP群11.2%であった。
・ORRは、ペムブロリズマブ+EP群70.6%、プラセボ+EP群は61.8%であった。12ヵ月時点で奏効が持続していたレスポンダーの推定割合は、それぞれ19.3%、3.3%であった。
・全要因の有害事象の発現頻度は、Grade3/4がペムブロリズマブ+EP群76.7%、プラセボ+EP群74.9%、Grade5はそれぞれ6.3%、5.4%、あらゆる薬物の中断率は14.8%、6.3%であった。
(ケアネット)