BTK阻害薬であるacalabrutinibの、再発/難治(R/R)慢性リンパ性白血病(CLL)を対象とした多施設無作為化非盲検第III相ASCEND試験の結果が、Jouranal of Clinial Oncology誌2020年5月27日号オンライン版で発表された。
・患者:18歳以上のR/R CLL
・試験薬:acalabrutinib PDまで
・対照薬:治験実施医が選択した治療(iderasilib+リツキシマブ[I-R]またはベンダムスチン+リツキシマブ[B-R])
・評価項目:
[主要評価項目]独立レビュー委員会(IRC)評価によるITT集団の無増悪生存期間(PFS)
[副次評価項目]IRC評価の全体効率、全生存率、安全性など
主な結果は以下のとおり。
・310例の患者が無作為にacalabrutinib単剤療法(15例)または治験実施医が選択した治療(155例:I-R 119例、 B-R 36例)に割り付けられた。
・前治療の中央値は2回であった。
・追跡期間中央値16.1ヵ月のPFS中央値は、治験実施医が選択した治療群では16.5ヵ月、acalabrutinibでは未達成で、acalabrutinib群で有意に長かった(HR:0.31、95%CI:0.20〜0.49、P <.0001)。
・12ヵ月PFSは、acalabrutinib群88%、治験実施医が選択した治療群68%であった。
・重篤な有害事象は、acalabrutinib群の29%、I-R群の56%、B-R2群の26%で発現した。
筆者は、acalabrutinibはI-RまたはB-Rと比較してPFSを有意に改善し、R/R CLL患者で許容できる安全性プロファイルを持っていると述べた。
(ケアネット 細田 雅之)