マスク着用時の口臭対策の基本とは?専門家がアドバイス

提供元:ケアネット

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公開日:2020/10/02

 

 新型コロナウイルス感染症流行の長期化に伴い、マスクを着けることが日常化している。マスク装着時に気になるのが自分の口臭の問題だ。乳酸菌食品メーカーであるオハヨーバイオテクノロジーズは「マスクの中の“臭い”気になりませんか?」と題したプレス資料の中で、口臭の原因と対策について解説している。

マスク装着時の口臭対策は着用直前の口腔ケア

 口臭の原因は、大きく分けて2つ。1つ目は「体」に原因がある場合で、消化不良や肝機能低下、糖尿病などが考えられる。2つ目は「口の中」に原因がある場合で、歯や舌の汚れや虫歯、歯周病などが要因となる。口臭のうち8割以上が口の中に原因があるとされ、とくに舌の上が白くなる舌苔の増加と歯周病菌による歯茎の炎症やメチルメルカプタンの発生による口臭が代表的な要因だ。

 オハヨーバイオテクノロジーズの研究に協力する歯科医・日本大学客員教授の若林 健史氏は、「マスクの装着が常態化したことによって通常時よりも話す機会・時間が少なくなると口周りの動きが減る。それによって唾液の分泌が減少し、口内の循環が減ることで、悪玉菌が留まりやすくなって口内環境が悪化しやすくなる。マスクをしながらの会話は口呼吸になりやすいので口内に乾燥が起こることも考えられる」と述べる。

 マスク着用時の口臭対策としては、「マスクを着用する直前に口腔ケアを徹底することが効果的。とくに舌苔を取り除き、増殖を抑制することが大切になる。舌ブラシで舌をきれいにし、歯ブラシ、歯間ブラシでブラッシングを徹底、さらに洗口液でうがいを行うとよい」(若林氏)。加えて、マスク着用の直前に匂いのきついものを食べないようにする、口内環境を整える良質な乳酸菌を食品などから摂り入れることも手軽にできるマスク着用時の口臭対策という。

 医療者として、受診患者や入院患者の口臭に気づいた場合はどうすればよいか。
「院内や関係医療機関の歯科衛生士を紹介して欲しい。入れ歯をしている方であれば、入れ歯の手入れを食事のすぐあとに徹底して行うことが効果的。口臭は原因によって対処方法が異なるので、専門家に相談することを薦めていただきたい」と若林氏はアドバイスする。

 口臭対策品の広告等において、「日本人は欧米人に比べて口臭を持つ人が多い」とされることがあるが、「日本人の歯周疾患の保有率は上昇しているが1)、他国と比べて有意に多いというデータはない」(若林氏)という。多くの場合、口臭の原因は口内にあるため、ブレスケア製品でごまかすのではなく、しっかりとした歯磨きと舌ブラシでのケアがマスク着用時の口臭対策の基本になるという。

(ケアネット 杉崎 真名)