同時化学放射線療法(cCRT)後に疾患進行のない切除不能StageIII非小細胞肺がん(NSCLC)におけるデュルバルマブ地固め療法の第III相PACIFIC試験。欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)では、デュルバルマブ群初とはる全生存期間(OS)を含む4年生存データを、英国・マンチェスター大学のC. Faivre-Finn氏が発表した。
・対象:cCRT後に進行していない切除不能StageIII NSCLC患者
・試験群:デュルバルマブ10mg/kg、2週ごと12ヵ月(473例)
・対照群:プラセボ、2週ごと12ヵ月(236例)
・評価項目:
[主要評価項目]盲検独立中央評価委員会(BICR)判定による無増悪生存期間(PFS)、OS
[副次評価項目]死亡または遠隔転移までの時間、2回目の進行までの時間、安全性などCRTの1~42日後に、被験者はデュルバルマブとプラセボに2対1に無作為に割り付けられた。
主な結果は以下のとおり。
・2020年3月20日現在、追跡期間中央値は34.2ヵ月であった。
・OS中央値はデュルバルマブ群47.5ヵ月、プラセボ群29.1ヵ月であった(HR:0.71、95%CI:0.57〜0.88)。
・4年OS率は、デュルバルマブ群49.6%、プラセボ群6.3%であった。
・PFS中央値は、デュルバルマブ群17.2ヵ月、プラセボ群5.6ヵ月であった(HR:0.55、95%CI:0.44〜0.67)。
・4年PFS率は、デュルバルマブ群35.3%、プラセボ群19.5%であった。
(ケアネット 細田 雅之 )