わが国のATLLの実態調査/日本血液学会

提供元:ケアネット

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公開日:2020/10/21

 

 成人T細胞白血病・リンパ腫はわが国の西南部で頻度が高い。成人T細胞白血病・リンパ腫の第11次全国実態調査の結果が、第82回日本血液学会学術集会で長崎大学の今泉 芳孝氏より報告された。

 この疫学研究は、98施設から収集した877例のうち適格の770例を対象として解析されたもの。

 主な結果は以下のとおり。

・臨床病型別の生存期間中央値は、急性型8.3ヵ月、リンパ腫型10.0ヵ月、慢性型25.6ヵ月、くすぶり型60.9ヵ月であった。
・急性型、リンパ腫型の予後については、生存期間の改善はわずかだったが4年生存率は改善した。
・70歳未満の急性型およびリンパ腫型では、同種造血幹細胞移植を受けた群で長期予後が改善されたが、適応となる70歳未満の患者で同移植をうけた割合は3分の1程度にとどまった。
・慢性型・くすぶり型の予後については、生存期間は十分な改善を認めなかった。4年生存率は慢性型でやや改善するも、くすぶり型については改善が乏しかった。
・iATL-PI別にみると、予後不良因子を有する慢性型であっても、indolentな経過を示す症例が、低リスク群ではみられた。くすぶり型では、iATl-PI 中/高リスク群、皮膚病変発症例では生存が不良な傾向が認められた。

(ケアネット 細田 雅之)