Merck社は、2020年10月16日、進行NSCLC患者の1次治療において、同社の新規抗CTLA-4抗体quavonlimabとペムブロリズマブの併用療法が良好な抗腫瘍活性と許容可能な安全性プロファイルが認めたと発表。この試験結果は、北米肺癌学会議(NACLC)において報告された(Poster #TS01.02)。
同試験は、進行NSCLC患者の初回治療として、quavonlimabとペムブロリズマブの併用療法を評価したヒトに対する初めての非盲検多群第I/II相試験。用量確認フェーズでは、quavonlimab(25mgまたは75mg)を3週間ごとまたは6週間ごととペムブロリズマブ(200mgを3週間ごと、最大35サイクル)を併用投与した。この試験の主要評価項目は安全性と忍容性で、副次・探索的評価項目は盲検下独立判定機関(BICR)が判定したORRのほか、PFS、OS、DORなど。PD-L1発現に基づく効果は、TPS(tumor proportion score)を連続変数として後ろ向きに評価した。
quavonlimabとペムブロリズマブの併用療法では想定外の有害事象はなく許容可能な安全性プロファイルが示され、良好な抗腫瘍活性が認められた。全Gradeの有害事象は98%、治療関連有害事象は85%に発現した。Grade3以上の治療関連有害事象は36%に認められた。頻度の高い(10%超)治療関連有害事象は、ALT上昇(8%)、肺臓炎(8%)、AST上昇(6%)であった。
この試験の結果では、フォローアップ期間中央値16.9ヵ月において、ORR、PFS、OS、DORなど副次・探索的評価項目全体でquavonlimabとペムブロリズマブの併用療法の効果が認められた。また、反応はPD-L1発現にかかわらず認められた(片側p=0.015)。これらの安全性と有効性のデータに基づき、第II相試験におけるquavonlimabのペムブロリズマブと併用の推奨用量は、25mg 6週間ごととしている。
(ケアネット 細田 雅之)