Pfizer社とBioNTech社は2020年11月18日、COVID-19に対するmRNAベースのワクチン候補であるBNT162b2の第III相試験の有効性の最終解析で、主要有効性評価項目をすべて達成したと発表した。本ワクチンの1回目の接種から28日以降のCOVID-19発症について、SARS-CoV-2感染歴のない参加者でワクチン有効率が95%(p<0.0001)を示し、さらにSARS-CoV-2感染歴を問わない場合でも同様であった。有効率は年齢、性別、人種、民族で一貫しており、65歳以上での有効率は94%を超えていた。COVID-19重症例は10例で、9例がプラセボ群、1例がBNT162b2群だった。両社は20日、米国食品医薬品局(FDA)が緊急使用許可(EUA)を申請した。
本ワクチンの安全性については、第II/III相試験における18歳以上の8,000人以上の参加者のランダム化されたサブセットからなる最終解析から、非盲検の反応原性データをレビューした結果、忍容性が良好であることが示された。発現率が2%以上のGrade3の有害事象は、2回目の接種後における倦怠感(3.8%)と頭痛(2.0%)であった。
BNT162b2の第III相試験は2020年7月27日に開始され、現在までに4万3,661人が登録され、11月13日時点で41,135人が2回目の投与を受けている。本試験の有効性と安全性のデータ収集はさらに2年間継続する予定。
課題とされる輸送・保管時の温度管理について、Pfizer社とBioNTech社は、ドライアイスを用いて-70℃±10℃の温度を維持するための特別に設計された温度管理シッパーを開発しており、ドライアイスを補充することにより15日間の一時保管ユニットとして使用可能としている。
(ケアネット 金沢 浩子)