新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の初発感染で入退院した患者のうち、9%が退院後2ヵ月以内に同じ病院に再入院していたことが明らかになった。また、複数の病院で患者の1.6%が再入院していた。再入院の危険因子には、65歳以上、特定の慢性疾患の既往、COVID-19による初回入院以前の3ヵ月以内の入院、高度看護施設(SNF:skilled nursing facility)への退院または在宅医療への切り替えが含まれていた。米国疾病予防管理センター(CDC)のMorbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)11月13日号での報告。
CDC研究班は、Premier Healthcare Database の電子健康記録と管理データを使用し、退院、再入院のパターン、およびCOVID-19による初回入退院後の再入院に関連する人口統計学的および臨床的特徴を評価した。
主な結果は以下のとおり。
・2020年3~7月の期間にCOVID-19で初回入院した12万6,137例のうち、15%が初回入院中に死亡した。
・生存患者10万6,543例(85%)のうち、9,504例(9%)は、2020年8月までの退院から2ヵ月以内に同じ病院に再入院していた。
・初回入院後に退院した患者の1.6%で、複数回の再入院が発生した。
・再入院は、自宅退院した患者(7%)よりも、SNFへ退院した患者(15%)、または在宅医療を要する患者(12%)でより頻繁に発生した。
・65歳以上、特定の慢性疾患の既往、初回入院以前の3ヵ月以内の入院、および初回入院からの退院がSNFまたは在宅診療を要する退院であった場合、再入院の確率は年齢とともに増加した。
研究者らは、再入院の頻度とその危険因子を理解することで、臨床診療、退院の決定、およびCOVID-19患者の急性およびフォローアップケアに必要なリソースを確保するためのヘルスケア計画など、公衆衛生における優先順位を知ることができるとしている。
(ケアネット 土井 舞子)