FDA、アテゾリズマブ+抗TIGIT抗体tiragolumabを高PD-L1非小細胞肺がんのブレークスルーセラピーに指定/ロシュ

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2021/02/03

 

 ロシュ社は、2021年1月5日、新しい抗TIGIT抗体tiragolumabがアテゾリズマブとの併用で、転移を有するPD-L1高発現の非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療として、米国食品医薬品局(FDA)からブレークスルーセラピー指定(BTD)を付与されたと発表。

 今回の指定は第II相CITYSCAPE試験に基づくもの。CITYSCAPE試験の結果は、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で発表され、追跡期間平均10.9ヵ月で、全奏効率(ORR)を改善(37%対21%)、アテゾリズマブ単独と比較して無増悪生存期間(PFS)を42%減少。PD-L1強陽性(TPS≧50%)を対象とした探索的分析では、アテゾリズマブ単独に対し、臨床的に意味のあるORRの改善(66%対24%)を示し、良好なPFS中央値を示した(未達対4.11ヵ月、HR:0.30、95%CI: 0.15~0.61)。また、tiragolumabとアテゾリズマブの併用は全体的に忍容性が高く、Grade3以上の有害事象の発生率はアテゾリズマブ単独と同程度であった(48%対44%)。

(ケアネット 細田 雅之)