新型コロナウイルスのワクチン接種が世界中で始まり、接種者は1億人を突破した。2月下旬より医療者を対象に接種が始まる日本でも、さまざまな新型コロナワクチンに関する情報が次々と飛び込んできており、そんななかで医師のワクチンに対する心境に変化はあるのだろうかー。
今回、医師の接種希望に関する心境の変化やその理由を探るため、昨年10月に会員医師へ行った新型コロナワクチン接種に関するアンケートの回答者1,027人に対し、2回目のアンケートを実施した[1月27日(木)~2月3日(水)]。980人から回答を得た結果より、医師のワクチン接種希望者は1回目のアンケートでは61.2%だったのが、2回目では82%に増加したことが明らかになった。
本アンケートでは30代以上の医師(勤務医、開業医問わず)を対象とし、新型コロナワクチン接種希望の有無や現状での懸念点などについて調査。集計結果を年代や病床数、診療科で比較した。また、今回のアンケートでは新型コロナ患者の対応有無で接種希望に違いがあるのかも比較するため、Q1では新型コロナ患者の対応状況を確認した。
ワクチン接種希望の本音と建前
ワクチン接種の希望について質問(「Q2:ワクチンを接種したいとお考えですか?」)したところ、82%(799人)の医師が「はい」と回答。10月時点のアンケートと比較して、各年齢や各診療科で希望者が増加していた。とくに糖尿病・代謝・内分泌内科(46%→75%)、救急科(36%→79%)、脳神経外科(44%→81%)での伸びが顕著であり、主な理由として「接種に伴う問題が少しずつ明らかになってきた(50代、救急科)」「若干の有害事象はあるが大きな問題でないこと(50代、糖尿病・代謝・内分泌内科)」「ワクチンの効果が見え始めているので接種しようと考えを改めた(50代、脳神経外科)」など、安全性に関する情報が入手できるようになってきた影響が大きいようだ。一方で、「医療従事者が接種しなければ誰も接種しないと思う(30代、内科)」「医療従事者は仕方ない(60代、脳神経外科)」など、職務上やむを得ないというコメントもみられた。
新型コロナ患者の対応有無で接種希望に差
さらに、新型コロナ対応医師(510人)の接種希望者が86%(440人)であったのに対し、未対応医師(470人)では76%(359人)と、対応状況によって接種意向に10%の差がみられた。
このほか、アンケート結果ではワクチンを希望しない医師に対し「どのような状況になったら接種したいか」を、10月と比べて心境に変化のあった医師に対し「その理由はなにか」を尋ね、回答を得た。
アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。
「新型コロナワクチン接種に対する1月時点の意向をお聞かせください」
(ケアネット 土井 舞子)