厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課は2月25日付の課長通知にて、妊婦全般が禁忌になっていない非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)について添付文書改訂を指示した。
改訂内容は妊婦への使用に関するもので、妊婦全般が禁忌になっていないNSAIDsによる胎児の腎障害出現や羊水過少リスク上昇について、国内での論文報告などを受けて行われた。
米国では昨年10月、広く使用されている鎮痛薬を妊娠20週以降に服用すると合併症のリスクが高まる可能性があるとして、食品医薬品局(FDA)が「妊娠20~30週の妊婦に対するNSAIDsの処方は限定的にし、必要な場合にも、最小限の用量で可能な限り最短期間の処方とする旨の注意喚起を行う」と改訂を指示していた。ただし、日本国内において、妊娠時期に関する明記は現段階では避けている。
対象薬剤はシクロオキシゲナーゼ阻害作用を有するNSAIDs(妊婦を禁忌とする薬剤を除く)で、ロキソプロフェンナトリウム水和物(商品名:ロキソニン ほか)、セレコキシブ(商品名:セレコックス ほか)などが含まれ、経口剤や坐剤のみならず、外用剤も該当する。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与を新たに新設
製剤ごとの追記は以下のとおり。
・妊婦全般が禁忌になっていないNSAIDs
シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)の妊婦への使用により、胎児の腎機能低下及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が認められている旨、使用する際には必要最小限の使用とし適宜羊水量を確認する旨の注意喚起を追記。
・低用量アスピリン製剤及び局所製剤
シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)の妊婦への使用により、胎児の腎機能低下及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が認められている旨を追記。
(ケアネット 土井 舞子)