高齢日本人EGFR陽性肺がんを対象としたアファチニブ1次治療(NEJ027)/BMC Cancer

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2021/04/16

 

 肺がんは高齢者の頻度が高い。しかし、高齢者肺がんに対する研究結果は十分ではない。未治療の高齢日本人EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、アファチニブの1次治療の抗腫瘍活性と安全性を調査した多施設単群第II相NEJ027試験の結果が発表された。

・対象:75歳以上の未治療の進行EGFR変異陽性(Del19またはL858R)のNSCLC
・介入:アファチニブ40mg/日 疾患進行または許容できない毒性が発現するまで投与
・主要評価項目:中央委員会評価による客観的奏効率(ORR)

 主な結果は以下のとおり。

・38例の患者がアファチニブの投与を受け、37人が有効性評価可能であった。
・年齢の中央値は77.5歳、ECOG PS0〜1、60.5%がDel19陽性であった。
・追跡期間中央値は838日であった。
・ORRは75.7%(CR2例、PR26例)であった。
・無増悪生存期間中央値は14.2ヵ月。全生存期間(OS)中央値は35.2ヵ月で、 2年OS率は78.3%であった。
・一般的なGrade3/4の治療関連有害事象(TRAE)は、下痢(28.9%)、爪囲炎(23.7%)、発疹/ざ瘡(15.8%)であった。
・TRAEによる減量は78.9%、TRAEによる中止は21.1%(8例)で、治療関連死は認められなかった。

 この研究ではアファチニブの用量調整が比較的一般的に認められた。しかし、75歳以上のいおいても中止頻度は少なく、ほとんどの患者は1年以上治療を続けることができた、としている。

(ケアネット 細田 雅之)