COVID-19を経験した男性は勃起不全になりやすい?

提供元:ケアネット

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公開日:2021/04/28

 

 勃起不全(ED)は、COVID-19の短期的または長期的な合併症の可能性がある。今回、イタリア・ローマ大学のAndrea Sansone氏らが、COVID-19と診断された被験者におけるEDの有病率を調査し、COVID-19とEDの関連を検討した。Andrology誌オンライン版2021年3月20日号に掲載。

 本研究では、2020年4月7日~5月4日、イタリアで実施されたSex@COVIDオンライン調査(心理的、社会的、性的健康を調査する匿名のWebアンケート)に参加した18歳以上6,821例(女性4,177例、男性2,644例、平均年齢32.83±11.24歳)のデータから、性的に活発なイタリア人男性985例が抽出され、そのうち25例(2.54%)がSARS-CoV-2陽性だった。

 被験者は、GAD-7(Generalized Anxiety Disorder-7)とPHQ-9(Patient Health Questionnaire-9)によって、心理的健康スコアが測定された。各テストでスコアが10以上の場合、全般性不安障害とうつ病性障害をそれぞれ示唆していると見なされた。勃起機能は、IIEF-5(国際勃起機能スコア)またはその簡易版SHIMによって測定された。スコア21以下はED、スコア22〜25は正常と見なされた。

 主な結果は以下のとおり。

・1:3の傾向スコアマッチングに従って、985例の性的に活発なイタリア人男性から、SARS-CoV-2陽性者25例(COVID+)とSARS-CoV-2感染歴のない75例(COVID-)がマッチングされた。
・2つの群間の年齢、GAD-7およびPHQ-9スコア、BMIについて、統計的に有意な差は見られなかった。
・EDの有病率は、COVID+群(7/25例、28%)のほうが、COVID-群(7/75例、9.33%)よりも高かった(p=0.0274)。
・年齢、BMI、および心理的健康スコアを調整したロジスティック回帰モデルにより、SARS-CoV-2感染とED発症との関連を確認したところ、COVID-19既往歴を持つ男性におけるED発症のオッズ比は5.66(95%信頼区間[CI]:1.50~24.01)だった。
・同じサンプルで、年齢とBMIを調整したロジスティック回帰モデルにより、ED診断後に SARS-CoV-2感染が発覚した場合を調査したところ、ED有病者におけるSARS-CoV-2感染のオッズ比は5.27(95%CI:1.49~20.09)で、有意な関連を示した。

 研究者らは、「COVID-19発症リスクは、ED発症の危険因子と似ており、われわれの研究結果は、ED、血管内皮機能障害、およびCOVID-19に関連する病態生理学的メカニズムと一致している。ワクチンやマスクの着用は、おそらく性機能障害を防ぐという追加の利益をもたらす可能性がある」とコメントしている。

(ケアネット 堀間 莉穂)