ADHD児のビデオゲーム使用方法と症状との関連

提供元:ケアネット

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公開日:2021/05/12

 

 小児ではビデオゲーム依存症との関連が認められているが、この問題はADHD児にとってとくに重要である。カナダ・モントリオール大学のLaura Masi氏らは、カナダの子供たちにおけるビデオゲーム使用に関する多くのデータを収集し、ADHD児と非ADHD児における違いを調査した。また、依存症とADHD症状との関連を調査し、性別の影響についても評価した。Frontiers in Pediatrics誌2021年3月12日号の報告。

 本研究は、多施設(小児精神科)、横断的、探索的、記述的研究として実施された。カナダの4~12歳を対象にADHD群、臨床対照群、コミュニティー対照群について募集を行った。各群の親1人に対し質問票を用いて、プレイ時間、依存性スコア、年齢別の使用状況などのビデオゲーム使用に関するデータを収集した。データの収集は、2016年12月~2018年8月にモントリオールで実施した(280例)。

 主な結果は以下のとおり。

・ADHD児の脆弱性が明らかとなった。
・ADHD児では、ビデオゲームに関してより依存性スコアが高く(ADHD群:1.1025、コミュニティー対照群:0.6802)、長時間プレイしていた。
・ADHD症状の重症度とビデオゲームの過度な使用との間に相関が認められた(p=0.000)。
・重度のADHD児は、依存性スコアが有意に高く、重回帰分析では、性別とADHDとの組み合わせがビデオゲームの過度な使用に影響することが示唆された。

(鷹野 敦夫)

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