既治療のKRAS p.G12C変異非小細胞肺がん(NSCLC)の第II相 CodeBreaK100試験のアップデート結果が米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)で発表された。これにsotorasib初の全生存期間(OS)結果も含まれた。
・対象:KRAS p.G12C変異を有する既治療(3ライン以下)の局所進行または転移のあるNSCLC
・介入:sotorasib 960mg/日、PDとなるまで投与
・評価項目:
[主要評価項目]盲検下独立中央画像判定機関(BICR)評価の奏効率(ORR)
[副次評価項目]奏効期間(DoR)、疾患制御率(DCR)、初回奏効までの期間(TTR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性など
[探索的研究]バイオマーカー
主な結果は以下のとおり。
・追跡期間中央値は15.3ヵ月であった。
・対象は126例で、81%はプラチナベース化学療法とPD-1/L1阻害薬の両方の治療を受けていた。
・主要評価項目であるBICR評価のORRは37.1%(CR 4例 3.2%、PR 42例 33.9%)、DCRは80.6%であった。
・OS中央値は12.5ヵ月であった。
・PFS中央値は6.8ヵ月、DoR中央値は11.1ヵ月であった。
・治療関連有事象(TRAE)は全Gradeで88%、Grade3の発現は19.8%。ほとんどはGrade1〜2で管理可能であった。
・探索的研究において、標準治療による臨床転帰が不良なSTK11などの共変異を有する患者においても奏効が観察された。
この結果は、New England Journal of Medicine誌2021年6月5日オンライン版に同時掲載された。
(ケアネット 細田 雅之)