片頭痛治療に対するメマンチンの有効性~RCTのメタ解析

提供元:ケアネット

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公開日:2021/06/17

 

 片頭痛患者に対するメマンチンの有効性を評価するため、中国・Wenzhou People's HospitalのZhili Xu氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Clinical Neuropharmacology誌2021年5月・6月号の報告。

 2020年2月までに公表された、片頭痛治療におけるメマンチンとプラセボの効果を比較したランダム化比較試験を、PubMed、EMbase、Web of Science、EBSCO、コクランライブラリーデータベースより検索した。本メタ解析では、ランダム効果モデルを用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・3つのランダム化比較試験をメタ解析に含めた。
・全体として、メマンチンによる治療は、1ヵ月当たりの発作頻度、片頭痛日数およびMigraine Disability Assessment(MIDAS:片頭痛の障害評価尺度)スコアの大幅な減少との関連が認められた。
 ●発作頻度(平均差[MD]:-2.14、95%信頼区間[CI]:-2.83~-1.46、p<0.00001)
 ●片頭痛日数(MD:-4.17、95%CI:-6.40~-1.93、p=0.0003)
 ●MIDASスコア(MD:-5.63、95%CI:-6.46~-4.79、p<0.00001)
・一方、急性鎮痛薬への影響は認められなかった(MD:-1.23、95%CI:-4.63~2.17、p=0.48)。

 著者らは「片頭痛をコントロールするうえで、メマンチンによる治療は役立つ可能性が示唆された」としている。

(鷹野 敦夫)