診療所を売買する「医業承継」。売る側は後継者と譲渡金が手に入り、買う側は集患の手間なく初期費用も減って…、といいことづくしのようですが、実はあちこちに落とし穴が!最低限の知識をマンガで解説。
43歳。専門は消化器内科で大阪の100床規模の病院で勤務中。父親も医師で地方で開業している。そろそろ自分も独立して開業しようかなーと思いつつ、思い切れず、妻に尻を叩かれている。私立中学に通う1人息子がいる。
ひつじ先生
43歳。専門は消化器内科で大阪の100床規模の病院で勤務中。父親も医師で地方で開業している。そろそろ自分も独立して開業しようかなーと思いつつ、思い切れず、妻に尻を叩かれている。私立中学に通う1人息子がいる。
72歳。専門は整形外科で地方都市でクリニックを開業して30年を迎えた。患者やスタッフから慕われ、経営は順調だが、そろそろ体力が厳しく、引退を考えるように。子供たちは医師だが承継の意志はなく、設備と患者を誰かに引き継いでもらえないかと考え中。
ヤギ先生
72歳。専門は整形外科で地方都市でクリニックを開業して30年を迎えた。患者やスタッフから慕われ、経営は順調だが、そろそろ体力が厳しく、引退を考えるように。子供たちは医師だが承継の意志はなく、設備と患者を誰かに引き継いでもらえないかと考え中。
第18回 「もっと高く売れるはず…」、その思い込みが売れ残りにつながる
漫画・イラスト:かたぎりもとこ
「譲渡額の設定方法」は、売り手の方から最も多く頂く質問です。実際、診療所の譲渡額の設定は、成約率を最も大きく左右する要素となります。
診療所の譲渡額の設定方法を、簡単に式にすると下記になります。
たとえば、年収1,500万円の開業医の方が自院を売却する場合、基本的な譲渡額は1,500万円になります。
ここに「最近購入した医療機器」の価値が300万円ある場合には、1,500万円+300万円=1,800万円が譲渡額となります。
これに加えて、東京都世田谷区といった、医師の開業人気エリアにおいては、「プレミアム」という考え方があり、決まったロジックなしに数百万円が上乗せされるケースもあります。
このように、譲渡額は設定にいくつかの要素があり、これらを総合的に判断して算出する必要があります。
(譲渡額設定に関する詳細は下記をご参照ください)
知っておきたい 医院承継・売却時の売値の相場とは?
上記のようなロジックを無視して、売り手側の院長の言い値で譲渡額を設定するケースもありますが、そうした適正価格から外れた案件はなかなか成約に至らず、売り時を逃すことにつながります。
譲渡額の妥当性は成約率に大きく影響するため、思い込みを排除し、ロジックに従った決め方をしたほうが、結局は売り手のためにもなるのです。
医業承継とは?
医業承継とは、診療所を開業するとき、既存の診療所の事業を引き継いで開業することです。
買い手からすると、施設や医療機器がそろっているため、開業に当たっての初期費用を数千万円単位で節約することができ、既存の患者さんの来院も見込めるため、経営が安定します。
売り手からすると、自院の施設や設備を無駄にすることなく、譲渡金を得ることができ、かつ患者さんを引き継げる安心感があります。
医業承継の大まかな流れは以下のとおりです。
医業承継の基本の流れと要する期間
ケアネット医業承継チーム
ケアネットでは2020年に医業承継チームが発足しました。業界経験の長い2人の女性メンバーと男性メンバー1人で構成。3人で合計100件超の成約実績があります。
ケアネットの医業承継事業の特長
ケアネットの会員医師23万人(2024年5月現在)の中から最適な候補者を紹介します。
これから開業したい医師や、すでに開業している理事長、いずれとの接点も豊富にあるため、希望の条件に沿った相手探しが可能です。
医業承継という業界の歴史は浅く、未経験のアドバイザーも多い業界ですが、ケアネットには業界経験5年以上のスタッフが複数在籍しています(全メンバーで計100件超の成約実績あり)。
事業者の中には、着手金や相談料が発生する場合もありますが、ケアネットの医業承継事業は成功報酬型で医業承継を支援します。
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