バイエル薬品は2021年6月23日、慢性心不全治療薬ベルイシグアト(商品名:ベリキューボ錠)の製造販売について、日本国内における承認を取得したと発表した。2020年3月、NEJM誌に発表された第III相臨床試験VICTORIAで得られた結果に基づき、厚生労働省が承認した。
ベルイシグアトは心不全の増悪を経験した患者のさらなる悪化リスクを減らす
ベルイシグアトは、慢性心不全の適応で初めて承認されたsGC刺激剤。入院や利尿薬の静脈内投与が行われるなど、最近心不全の増悪を経験した患者のさらなる悪化リスクを減らすために研究された。2021年1月には、米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得。EUでは欧州医薬品庁ヒト用医薬品委員会(CHMP)に承認が勧告され、中国をはじめ世界各国で承認申請中。
ドイツ・バイエル社医療用医薬品部門のベルイシグアト担当責任者は、「日本における心不全患者数は約120万人にのぼり、2035年にはピークの132万人に達すると予測されている。患者本人およびその家族に多大な影響を及ぼしており、日本での承認により、この疾患で苦しむ人々の生活の向上に貢献できることを誇りに思う」とコメントしている。
<ベルイシグアトの製品概要>
・販売名:ベリキューボ錠2.5mg、同錠5mg、同錠10mg
・一般名:ベルイシグアト(Vericiguat)
・効能・効果:慢性心不全(ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る)
・用法・用量:通常、成人にはベルイシグアトとして、1回2.5mgを1日1回食後経口投与から開始し、2週間間隔で1回投与量を5mg及び10mgに段階的に増量する。なお、血圧等患者の状態に応じて適宜減量する。
・製造販売承認日:2021年6月23日
・製造販売元:バイエル薬品株式会社
(ケアネット 鄭 優子)