ニルセビマブがRSウイルスの高リスク乳児に有効/第II/III相MEDLEY試験

アストラゼネカは、RSウイルス(呼吸器合胞体ウイルス)感染の高リスク乳児を対象にニルセビマブの安全性と忍容性を評価した第II/III相のMEDLEY試験において、良好な結果を示したことを7月8日付けのプレスリリースで発表した。
ニルセビマブはアストラゼネカとサノフィにより開発中のアストラゼネカ独自の半減期延長(YTE)技術を用いた長時間作用型抗体。乳幼児に直接免疫を与え、RSウイルスに対する感染予防効果を発揮させる可能性がある。
今回良好な結果を示したMEDLEY試験は、早産児およびシナジスによる治療が適格な高リスク乳幼児*を対象とし、ニルセビマブの安全性および忍容性の評価を目的とした無作為化二重盲検シナジス対照第II/III相試験。2019年7月~2021年5月までの期間に、RSウイルス流行シーズンを初めて迎えた約925例の乳幼児に対し、ニルセビマブまたはシナジスの投与を行って評価した。ニルセビマブの安全性として投与後360日間の有害事象(TEAEs)および重篤な有害事象(TESAEs)の発現頻度を、慢性肺疾患(CLD)に罹患した乳児、先天性心疾患(CHD)に罹患した乳児、早産児のいずれか1つ以上に該当する乳児に対して評価したところ、試験下で発現したTEAEsもしくはTESAEsの発現率は両治療群間で同様だった。
*高リスク乳幼児:CLD/CHDを発症していない在胎35週以内の乳児、もしくはCLDまたは血行動態に異常のあるCHD発症の早産児と定義。
なお、ニルセビマブは第III相のMELODY試験(RSウイルスの流行シーズンを初めて迎えた健康な後期早産児および正期産児において、プラセボと比較し、RSウイルスに起因する診療を要した下気道感染症(LRTI)の発症頻度をみたもの)も評価中である。
(ケアネット 土井 舞子)
関連記事

RSウイルス検査ってなあに?
患者説明用スライド(2020/05/29)

RSV感染症はインフルエンザよりも怖い?
医療一般(2018/06/14)

南アジア新生児の重症市中感染症、原因と罹患状況/Lancet
ジャーナル四天王(2018/07/24)
[ 最新ニュース ]

敗血症性ショック、強化学習モデルのバソプレシン投与で死亡率低下/JAMA(2025/04/01)

各連携機関から見た造血幹細胞移植の現状と展望/日本造血・免疫細胞療法学会(2025/04/01)

EGFR陽性NSCLC、アミバンタマブ+ラゼルチニブがOS改善(MARIPOSA)/ELCC2025(2025/04/01)

治療抵抗性うつ病に対する新たな治療薬、今後の展望は(2025/04/01)

BMIを改善すると心房細動リスクが低減か(2025/04/01)

中強度〜高強度の身体活動は脳の健康に有益(2025/04/01)

自己免疫疾患に対する心身症の誤診は患者に長期的な悪影響を及ぼす(2025/04/01)

レム睡眠潜時の増長がアルツハイマー病のマーカーとなる可能性(2025/04/01)
[ あわせて読みたい ]
総合内科専門医試験オールスターレクチャー 感染症(2021/07/15)
「売れなければ閉じればいい…」、閉院にいくらかかるかご存じですか?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第21回(2021/07/12)
「うちの診療所引き継ぐ人いない?」、うっかり漏らして大惨事!【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第20回(2021/06/28)
早めに動かないと売れ残る!「ヤバい診療所」のパターン2つ【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第19回(2021/06/14)
「もっと高く売れるはず…」、その思い込みが売れ残りにつながる【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第18回(2021/05/24)
診療所を売った後、「もう少し働く」メリット&デメリット【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第17回(2021/05/10)
診療所の後継者は自分で育てる!が失敗してしまう理由とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第16回(2021/04/26)
総合内科専門医試験オールスターレクチャー 神経(2021/04/20)
総合内科専門医試験オールスターレクチャー 呼吸器(2021/04/20)
この診療所を子供に継いでもらいたい…、がうまくいかない理由【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第15回(2021/04/12)