実臨床におけるナルメフェンの使用状況~フランスでのコホート研究

提供元:ケアネット

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公開日:2021/07/22

 

 フランス・パリ・サクレー大学のHenri-Jean Aubin氏らは、アルコール依存症患者におけるナルメフェンの実際の使用状況およびアルコールによる健康状態への影響を評価した。Alcohol and Alcoholism誌オンライン版2021年5月10日号の報告。

 次の2つの補完的研究を用いて評価を行った。USE-PACT研究は、アルコール依存症のマネジメントにおけるナルメフェンの実際の有効性を評価したプロスペクティブコホート研究であり、1年間の総アルコール消費量(TAC)と大量飲酒日数(HDD)の評価を行った。USE-AM研究は、フランスの代表的なレセプトデータベースを用いたコホート研究であり、プロスペクティブ研究における母集団の外的妥当性の評価に用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・USE-PACT研究に登録されたナルメフェン新規使用患者700例のうち、1年間の有効なデータを有していた患者は、256例であった。
・ナルメフェン治療1年後、TACおよびHDDは、ベースラインと比較し、減少が認められた。
 ●TACの平均変化:-41.5±57.4g/日
 ●HDDの平均変化:-10.7±11.7日/4週間
・最初の3ヵ月間のナルメフェン平均使用量は、20.0±12.0錠/4週間(中央値:1錠/日)であり、その後は用量が減少していた。
・ナルメフェンを使用しなくなった患者の割合は、1ヵ月後の5%から1年後の52%へと徐々に増加していた。
・USE-AM研究により、2016年にナルメフェンの1回目の医療費還付を受けた患者486例が特定された。USE-PACT研究の外的妥当性は、ベースライン特性により確認された。
・USE-AMにおける最初の処方の46.3%はGPで行われており、ほとんどの患者(91.8%)は、フォローアップ中に治療を中断していた。
・しかし、治療中止患者の15.2%は、その後治療を再開していた。

 著者らは「フランスの実臨床における本分析では、ナルメフェン治療を行ったアルコール依存症患者は、アルコール消費量の減少が認められ、一般的に忍容性は良好であった」としている。

(鷹野 敦夫)