新たな薬物療法などを収載、「胃癌治療ガイドライン」が3年ぶりの改訂

提供元:ケアネット

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公開日:2021/08/06

 

 2021年7月下旬、「胃癌治療ガイドライン 第6版」が発行された。胃癌治療ガイドラインとしては前版(2017年11月発行、2018年1月改訂)から3年ぶりの改訂となる。前版で採用された構成(教科書形式による解説+CQ)を踏襲しつつ、Minds診療ガイドライン作成マニュアル2017を参考とした作成方法を採用し、新たな薬剤や治療法の解説・推奨が追加された。

胃癌治療ガイドラインは3年ごとを目処に改訂を予定

 胃癌治療ガイドラインの前版からの主な変更点は以下のとおり。

1)外科・内視鏡治療、化学療法、緩和的治療に関するCQを前版の26項目から32項目に増加(新たに設けられたCQには免疫チェックポイント阻害薬、ゲノム検査に関するものが含まれる)。
2)日本胃癌学会と日本食道学会の実施した前向き研究結果に基づき、cT2-T4の食道胃接合部癌に対する手術アプローチとリンパ節郭清のアルゴリズムを示した。また食道胃接合部癌に関する3つのCQを作成し推奨を示した。
3)腹腔鏡下手術およびロボット支援下手術について、最新の研究状況を踏まえた推奨を示した。
4)切除不能進行・再発胃癌に対する化学療法のレジメンは、「推奨されるレジメン」、「条件付きで推奨されるレジメン」として、「治療法」の章のアルゴリズムに列記した。治療選択肢は増す一方、個々のレジメントを比較したエビデンスは十分でないため、優先順位は付けず、エビデンスレベルも記載しなかった。
5)免疫チェックポイント阻害薬の最新の研究成果をCQにて解説した。

 胃癌治療ガイドラインの巻末には、これまでのガイドラインが臨床現場でどう使われているか、実際を知るための調査として行われている「Quality Indicatorによる胃がん医療の均てん化・実態に関する研究」のデータ解析結果が収載されている。胃癌治療ガイドラインは今後も3年ごとを目処に改訂を予定するが、重要事項は学会サイト上の速報で発表するという。

■胃癌治療ガイドライン 第6版
編集:日本胃癌学会
定価:1,650円(税込)
発行:金原出版
発行日:2021年7月20日
金原出版サイト

(ケアネット 杉崎 真名)