免疫不全者へのブースター接種、推奨事由と対象者/CDC

提供元:ケアネット

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公開日:2021/08/20

 

 米国・疾病対策センター(CDC)は免疫不全者を対象としたCOVID-19ワクチンの追加接種(ブースター接種)の承認を受け、8月16日付でサイトの情報を更新した。主な内容は以下のとおり。

・中等度から重度の免疫不全状態にある人はCOVID-19に感染しやすく、重症化、長期化するリスクも高いとされる。これらの人にはワクチンの追加接種が有効であり、接種を推奨する。
・mRNAワクチン(ファイザー製およびモデルナ製)の2回目の接種から少なくとも28日経ってから追加接種を行うことを推奨する。
・現時点では、他の集団に対する追加接種は推奨しない。

 中等度から重度の免疫不全者は成人人口の約3%を占めており、ワクチン接種後の抗体価が十分でないケースが報告1)されている。小規模な研究2)では、ワクチン接種完了後に感染するブレークスルー感染における入院患者の大多数を免疫不全者が占め、免疫不全者が家庭内の接触者にウイルスを感染させる可能性が高いことが示唆されている。

 免疫不全者の定義は以下のとおり。

・腫瘍や血液のがんに対する積極的ながん治療を受けている。
・臓器移植を受け、免疫抑制剤を服用している。
・過去2年以内に造血幹細胞移植を受けた、または免疫抑制剤を服用している
・中等度または重度の原発性免疫不全症(DiGeorge症候群、Wiskott-Aldrich症候群など)。
・進行または未治療のHIV感染症患者
・大量のコルチコステロイドまたは免疫抑制の可能性のある薬剤を服用

1)Science Brief: COVID-19 Vaccines and Vaccination/CDC
2)Data and clinical considerations for additional doses in immunocompromised people/CDC

(ケアネット 杉崎 真名)