約2年にわたる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、日常生活が失われ、生活のさまざまな面で自粛や我慢をする場面が散見される。また、経済活動の停滞は、収入減少など将来への不安要素となり、精神面に悪影響を及ぼしている。
そうした環境の中、COVID-19が私たちにもたらした精神面への影響はどのくらいあるのだろうか。株式会社アイスタットは、8月4日にアンケートを実施した。アンケートは、セルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の全国の会員20~49歳の東京在住の300人が対象。
調査概要
形式:WEBアンケート方式
期日:2021年8月4日
対象:セルフ型アンケートツール“Freeasy”の登録者300人(20~49歳/東京)を対象
アンケートの概要
・約2年に及ぶコロナ禍での「自粛生活」「予防対策」「感染不安」に、何らかのストレスを感じている人は約7割
・政府・自治体の対策では、「外出・旅行・帰省の規制・制限」がストレス有無に最も影響
・約2年に及ぶコロナ禍で、疲れを感じていると回答した人ほど、ストレスあり
・緊急事態宣言の内容を守っている人ほど、ストレスがある傾向
・コロナ禍になる前はストレス体質ではなかったが、コロナ禍によりストレスとなった人が26.5%
・ストレスがある人とそうでない人の心がけの違いは、「家族・知人・友人・恋人との頻繁な会話」
・コロナストレスの要因トップ8は、「コロナ禍による疲れ」「外出・旅行・帰省の規制・制限」「外食・飲み会・宴会の規制・制限」「イライラする」「気力・元気がなくなる」「体質」「仕事面」「将来不安」
回答者の7割はストレスを認識
質問1として「約2年に及ぶコロナ禍での「自粛生活」「予防対策」「感染不安」に何らかのストレスを感じているか」(単一回答)を聞いたところ、「やや感じている」が37.7%と最も多く、「非常に感じている」が30.3%、「どちらでもない」が15.3%と続いた。なかでも「非常に/やや」を足し合わせた「ストレスあり」と「どちらでもない/あまり/全く」を足し合わせた「そうでない」のストレス有無に分別すると、「ストレスあり」は68%、「そうでない」は32%で、全体の約7割がストレスを感じていた。「ストレスあり」回答者の属性では、「30代」「女性」「既婚」「有職者」で最も多かった。
質問2として「政府や自治体がお願いしている対策でストレスにつながる内容は何か」(複数回答)を聞いたところ、「外出・旅行・帰省の規制・制限」が56.3%で最も多く、「外食・飲み会・宴会の規制・制限」が43.0%、「マスク着用・検温・消毒」が39.0%と続いた。コロナストレスの有無別にみると、「政府・自治体の対策」を回答した人ほど実際にストレスがある傾向がみられ、一方、「あてはまるものはない」を回答した人は「そうでない」の方が多い結果だった。
質問3として「『自粛生活・予防対策・感染不安』に何らかの疲れを感じているか」(単一回答)を聞いたところ、「やや感じている」が35.0%で最も多く、「非常に感じている」が26.0%、「どちらでもない」が17.3%と続いた。「非常に/やや」を足し合わせた「疲れあり」と「どちらでもない/あまり/全く」を足し合わせた「そうでない」の疲れ有無に分別すると、「疲れあり」は61%、「そうでない」は39%だった。
コロナ禍のストレスの一番は「イライラ」
質問4で「4回目の緊急事態宣言の内容を遵守したか」(単一回答)を聞いたところ、「どちらかといえば守っている」が54.3%で最も多く、「完全に守っている」が22.3%、「どちらかといえば守っていない」が12.7%と続いた。「完全に/どちらかといえば」を足し合わせた「守っている」と「そうでない」の遵守有無に分別すると、「守っている」は76.7%、「そうでない」は23.3%で、全体の約8割が守っている結果だった。
質問5で「コロナ禍でストレスとならないように心がけていること」(複数回答)を聞いたところ、「おいしいものを食べる」が36.7%で最も多く、「十分な睡眠をとる」が34.3%、「適度な運動・体を動かす」が33.3%と続いた。コロナストレスの有無別にみると、心がけていることを回答した人ほど実際にストレスがある傾向がみられ、一方、心がけていることは「特になし」と回答した人は、「そうでない」の方が多い結果だった。
質問6で「現在、生活面でコロナ禍により悪影響を受けていることがあるか」(複数回答)を聞いたところ、「収入・金銭の面で」が31.0%で最も多く、「仕事の面で」が28.7%、「家族・家庭・友人・知人・恋人の面で」が26.3%と続いた。コロナストレスの有無別にみると、すべての内容で回答した人ほど実際にストレスがある傾向がみられ、一方、「現在、悪影響はない」を回答した人は「そうでない」の方が多かった。
質問7で「コロナ禍になる前、ストレスを生じやすい体質だったか」(単一回答)を聞いたところ、「どちらかといえばストレスを生じやすい体質だった」が42.7%と最も多く、「どちらかといえばストレスを生じない体質だった」が27.3%、「常にストレスを生じる体質だった」が19.7%と続いた。「常に/どちらかといえば」を足し合わせた「ストレス体質」と「ストレス体質でない」の体質の有無に分別すると、「ストレス体質」は62.3%、「ストレス体質でない」は37.7%で、今回の調査対象者ではストレス体質の方が多い結果だった。
質問8で「コロナ禍が原因で、こころや身体に不調を感じた症状があるか」(複数回答)を聞いたところ、「イライラする」が35.7%で最も多く、「気力・元気がなくなる」が30.0%、「眠れない・眠りが浅い」の23.0%と続いた。コロナストレスの有無別にみると、「不調を感じた症状」に回答した人ほど実際にストレスがある傾向がみられ、一方、「現在、悪影響はない」を回答した人は「そうでない」の方が多かった。
(ケアネット 稲川 進)