これまでの研究では、抗CGRPモノクローナル抗体は、反復性片頭痛の予防や治療に効果的な薬剤であることが報告されている。中国・Hospital of Chengdu University of Traditional Chinese MedicineのMin Shi氏らは、さらなる臨床研究の参考になるよう、用量、薬剤、投与経路、投与方法などの違いに基づき10の治療レジメンについて、比較を行った。Neurological Research誌オンライン版2021年7月19日号の報告。
2020年8月までに公表されたランダム化比較試験(RCT)をPubMed、Embase、Ovid MEDLINE、Web of Science、Cochrane Central Register of Controlled Trialsより検索した。
主な結果は以下のとおり。
・11件のRCT(6,397例)を分析に含めた。
・ネットワークメタ解析の結果、1ヵ月当たりの平均頭痛日数の比較では、エレヌマブ(140mg)、ガルカネズマブ(120mg、240mg)、フレマネズマブ(225mg、675mg)は、プラセボおよびエレヌマブ(7mg)よりも有意に優れていることが示唆された。フレマネズマブ(225mg、675mg)は、エレヌマブ(21mg、70mg)よりも有意に優れていた。
・1ヵ月当たりの急性片頭痛薬の平均投与日数の比較では、エレヌマブ(70mg、140mg)、ガルカネズマブ(120mg、240mg)、フレマネズマブ(225mg、675mg)は、プラセボよりも優れていた。エレヌマブ(140mg)、ガルカネズマブ(120mg、240mg)は、エレヌマブ(70mg)よりも有意に優れていることが示唆された。
・投与前の平均頭痛日数および急性片頭痛薬の平均投与日数に統計学的に有意な差は認められなかった。
著者らは「包括的な評価において、フレマネズマブ(225mg)およびガルカネズマブ(120mg)は、最良のプロトコルとなりうる可能性が示唆された」としている。
(鷹野 敦夫)