lurbinectedinは小細胞肺がん(SCLC)において、3.2mg/m2用量の単剤で、米国で承認されている。
in vitroでは、lurbinectedinとドセタキセルの併用による相乗効果が確認されている。この結果を基に、第I相用量拡大試験が行われ、lurbinectedin 2mg/m2とドセタキセル40mg/m2とトポテカンまたはCAV(シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン)の併用が有望な効果を示した1)。
WCLC2021では、小細胞肺がんに対する、lurbinectedin 2mg/m2とドセタキセル(またはCAV)の併用を評価する第III相試験ATLANTISの結果が発表された。
併用群は対照群に匹敵する有効性を示したが、主要評価項目は達成できなかった。
・対象:2次治療のSCLC
・試験群:lurbinectedin 2mg/m2 +ドセタキセル40mg/m2 3週ごと
・対照群:トポテカン1.5mg/m2day1~5 3週ごとまたはCAV 3週ごと
・評価項目:全生存期間(OS)
主な結果は以下のとおり。
・OS中央値はlurbinectedin併用群8.6ヵ月に対し、トポテカン(またはCAV)群は7.6ヵ月であった(HR:0.967、p=0.7032 )。
・独立評価委員会評価のPFS中央値は4.4ヵ月対4.0ヵ月であった(HR:0.831、p=0.0437)。
・12ヵ月PFS率は10.8%対4.4%であった(p=0.0129)。
・全Gradeの有害事象(AE)発現率はlurbinectedin併用群88.4%に対し、トポテカン(またはCAV)群は92.0%であった。
・Grade3以上のAEは47.2%対75.4%と、lurbinectedin群ではGrade1~2が多かった。
・lurbinectedin併用群で多くみられた有害事象は貧血14.5%、好中球減少37.0%、血小板減少13.1%であった。
lurbinectedinとドセタキセルの併用は主要評価項目は未達であったが、対照群に匹敵する有効性を示した。安瀬寧については、対照群よりも良好な結果を示した。
(ケアネット 細田 雅之)