モデルナ製ワクチン、追加接種でオミクロン株への中和抗体が37倍に増強

提供元:ケアネット

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公開日:2021/12/22

 

 米国・モデルナ社は12月20日付のプレスリリースで、新型コロナウイルスワクチンのオミクロン株に対する効果について、予備的試験データを公表した。それによると、同社ワクチンの初回接種(1、2回目)ではオミクロン株への中和抗体価が従来の変異株より低下していたが、3回目接種を受けた後では中和抗体価が約37倍まで増強されたという。

 今回発表されたのは、疑似ウイルスを用いた中和抗体価測定試験のデータ。モデルナ製ワクチンを2回接種した20例について、3回目接種を受けた後ではオミクロン株に対する中和抗体価が大幅に上昇し、被験者のGMT(幾何平均値)は、50μg(日本の追加接種に承認された用量の0.25mLに相当)接種により、ブースター接種前の約37倍となった。また、初回接種の用量100μg(同0.5mLに相当)を接種した別の20例のGMTは、約83倍まで増強されたという。追加接種による有害事象の頻度や症状は、初回接種時と同様だったが、接種用量が多いほうがより多くの副反応が起こる傾向が見られたという。

 モデルナ社は、世界的に拡大が懸念されているオミクロン株の状況に鑑み、オミクロン株に特化したワクチン開発は継続し、2022年初頭には臨床試験を実施する予定だが、感染予防のファーストラインは、現在使用されているワクチンのブースター接種であるとの見解を示している。

(ケアネット 鄭 優子)