治療抵抗性片頭痛患者に対するフレマネズマブの有効性~年齢や性別の影響

提供元:ケアネット

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公開日:2022/01/27

 

 片頭痛の有病率は、年齢や性別により異なり、成人初期および中年の女性でとくに高いが、男性やすべての年齢の成人においても片頭痛の問題を抱えている人は少なくない。そのため、性別や年齢を超えた片頭痛予防薬の有用性を理解することは重要である。既存の片頭痛予防の2~4つのクラスを用いた治療が奏効しなかった反復性および慢性片頭痛成人患者を対象としたランダム化プラセボ対照二重盲検比較試験である第IIIb相FOCUS試験において、ヒト化モノクローナル抗体フレマネズマブの安全性、有効性は明らかとなった。オランダ・エラスムス大学ロッテルダムのAntoinette MaassenVanDenBrink氏らは、FOCUS試験参加者を年齢および性別でサブグループ化し、フレマネズマブの有効性を評価した。The Journal of Headache and Pain誌2021年12月18日号の報告。

 FOCUS試験では、既存の片頭痛予防の2~4つのクラスを用いた治療が奏効しなかった慢性片頭痛または反復性片頭痛患者をフレマネズマブ四半期ごと投与群、フレマネズマブ月1回投与群、プラセボ群に1:1:1でランダムに割り付け、12週間の二重盲検治療を実施した。本事後分析では、年齢(18~45歳および45歳超)および性別のサブグループにおけるFOCUS試験の主要エンドポイントである1ヵ月当たりの片頭痛日数およびその他の副次的エンドポイント、探索的有効性のアウトカムのベースラインからの変化について評価を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・対象は、修正されたITT集団(1回以上の治験薬投与および主要評価項目の有効性評価をベースライン後10日以上で行った患者)837例(18~45歳:373例、45歳超:464例、男性:138例、女性:699例)。
・12週間後の1ヵ月当たりの片頭痛日数は、年齢、性別に関係なく一貫した減少が認められた(各々対プラセボ群:p<0.001)。
【年齢:18~45歳】
 ●フレマネズマブ四半期ごと投与群:-4.1日
●フレマネズマブ月1回投与群:-4.7日
●プラセボ群:-0.9日
【年齢:45歳超】
 ●フレマネズマブ四半期ごと投与群:-3.6日
●フレマネズマブ月1回投与群:-3.7日
●プラセボ群:-0.3日
【性別:男性】
 ●フレマネズマブ四半期ごと投与群:-4.1日
●フレマネズマブ月1回投与群:-4.6日
●プラセボ群:-0.3日
【性別:女性】
 ●フレマネズマブ四半期ごと投与群:-3.6日
●フレマネズマブ月1回投与群:-3.9日
●プラセボ群:-0.6日
・各サブグループにおいて、フレマネズマブの使用により、1ヵ月当たりの中等度以上の片頭痛日数の減少、1ヵ月当たり急性片頭痛薬の使用日数の減少、片頭痛障害評価(MIDAS)スコアの改善が認められた。

 著者らは「年齢や性別とは無関係に、治療抵抗性片頭痛に対するフレマネズマブ治療の有効性が確認された」としている。

(鷹野 敦夫)