新型コロナウイルス感染流行の影響で、この2年あまり、学術集会はオンライン・ハイブリッド形式での開催が主流になっている。オンライン化によって医師の学術集会への参加状況は変わったのか。2020年の調査(急増するオンライン学会、参加経験と満足度は?/医師1,000人に聞きました)に引き続き、会員医師1,000人に昨年の参加状況や今年以降に希望する開催形態を聞いた。
「2021年に参加した学術集会の総数」を聞いた質問では、「2」との回答者が最多(22%)だったが、「0」との回答者が13%いる一方で「10以上」との回答者4%いるなどバラツキが見られた。
年代別に見ると、30代は平均2.8回(うちオンライン参加2.4回)、40代は3.3回(同2.7回)、50代は2.8回(同2.6回)と大きな差はなく、かつオンラインで参加した割合が高かったが、60代以上は4.1回(3.0回)と参加数が多く、ほかの世代に比べて現地参加した人の割合が高かった。
「オンライン開催になったことで初参加した学術集会はありますか?」(カッコ内は回答者の標榜科)との質問では、「日本内科学会」(循環器内科、腎臓内科等)、「日本内科学会地方会」(内科)、日本感染症学会(内科、産婦人科等)、「日本禁煙学会」(外科)等の多様な回答が集まった。専門領域の中心となる学会ではないが、サブ領域や従来から関心のあった分野の学会がオンライン化で参加しやすくなったので参加してみた、という流れのようだ。
「現地/オンライン/ハイブリッドのうち、今後数年間における学術集会の開催形式として、希望する形式はどれですか?」という質問には、「ハイブリッド」が60%で圧倒的な支持を集め、「オンライン」は27%、「現地」は13%だった。
各開催形態のメリット・デメリットを聞いた質問においても、ハイブリッド形式は「時間効率がよく、ギリギリまで仕事ができる」「コロナの流行状況によって判断できる」とメリットを挙げる声が多数だった。ハイブリッド形式のデメリットとしては「特にない」という声のほか、「開催費用がかさんで参加料が高くなりそう」「開催者の手間が多くなる」といった、参加者よりも開催者側からの問題点を挙げる声が目立った。
アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中
『オンライン?現地?学会参加状況と今年の開催希望/会員医師アンケート』
<アンケート概要>
・タイトル:オンライン学会の参加状況について
・内容:2021年の学会参加状況と、2022年に向けて希望する開催形式について。
・対象:ケアネット会員医師1,000人(勤務先の病床数20床以上)
・実施期間:2021年12月20日(月)
・調査方法:インターネット
(ケアネット 杉崎 真名)