抗CGRP抗体フレマネズマブの使用継続による効果の変化

提供元:ケアネット

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公開日:2022/03/09

 

 片頭痛の予防的治療の主な目的は、発作頻度の減少、重症度の軽減、期間の改善、片頭痛関連障害の軽減などである。これまでの片頭痛予防薬では、投与を継続するたびに、次の投与を行う前に臨床症状の再発または悪化が認められる減弱効果が報告されている。米国・The Headache Center of Southern CaliforniaのAndrew M. Blumenfeld氏らは、片頭痛予防に対する抗CGRP抗体フレマネズマブの四半期ごとまたは月1回投与において、継続投与により有効性の減弱効果が認められるかについて、検討を行った。Headache誌2020年11月号の報告。

 慢性片頭痛(CM)または反復性片頭痛(EM)患者に対する12週間のフレマネズマブ投与を評価した第III相試験であるHALO試験および追加サブセットとして追加された312例の新規患者を対象に、12ヵ月間の長期多施設ランダム化二重盲検並行群間第III相試験を実施した。CMまたはEM患者に対し、月1回または四半期ごとのフレマネズマブ投与を行った。本事後分析では、投与後1~2週目と3~4週目、1~3週目と4週目、1~2週目と11~12週目における平均片頭痛日数の差を評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・対象患者は1,890例(CM:1,110例、EM:780例)であった。
・3、6、9、15ヵ月目において、週ごとの平均片頭痛日数の差は、投与後1~2週目と3~4週目、1~3週目と4週目では認められなかった。
・第1四半期(1~3ヵ月)または第2四半期(4~6ヵ月)において、1~2週目と11~12週目の週ごとの平均片頭痛日数に実質的な増加は認められなかった。
・週ごとの平均片頭痛日数は、CMおよびEM患者のいずれにおいても、投与方法にかかわらず最初の2週間で大幅な減少(30~42%)が認められた。平均片頭痛日数の減少は、第1四半期の最後の2週間で安定しており、第2四半期以降も同様な反応が維持されていた。

 著者らは「長期第III相試験のデータを用いた事後分析では、フレマネズマブの四半期ごとまたは月1回投与を行った患者では、投与間隔の終わりに向かって有効性の減弱効果が認められないことが示唆された」としている。

(鷹野 敦夫)