思春期女性の食事行動とうつ病との関連

提供元:ケアネット

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公開日:2022/06/24

 

 うつ病の増加は、公衆衛生上の重大な問題となっている。うつ病と食事行動との関連が示唆されているものの、そのエビデンスは限られている。イラン・Shahid Sadoughi University of Medical SciencesのAbbas Ali Sangouni氏らは、食事行動とうつ病スコアとの関連を評価するため、横断的研究を実施した。その結果、いくつかの摂食行動とうつ病スコアとの有意な関連が認められたことを報告した。BMC Public Health誌2022年6月11日号の報告。

 対象は、12~18歳のイラン人の思春期女性933人。うつ病重症度スコアにはベックうつ病評価尺度のペルシャ語版を用いて評価した。食事行動は事前に定義し、10項目の標準的な質問票を用いて評価した。食事行動とうつ病スコアとの関連を評価するため、租分および調整済みモデル線形回帰分析を用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・軽度~重度のうつ症状が認められた女性は32.3%、うつ症状がないまたは非常に軽度であった女性は67.7%であった。

・うつ病スコアとの有意な逆相関が認められた因子は、以下のとおりであった。
 ●メインディッシュの消費量:β=-0.141(95%CI:-3.644~-1.000)、p=0.001
 ●スナック菓子の消費量:β=-0.100(95%CI:-2.400~-0.317)、p=0.002
 ●通常の食事摂取量:β=0.23(95%CI:0.13~0.42)、p=0.001
 ●咀嚼:β=-0.152(95%CI:-2.279~-0.753)、p=0.03
これらの関連は、交絡因子で調整した後でも有意なままであった。

・租分モデルにおいて、うつ病スコアとの直接的な関連が認められた因子は、以下のとおりであった。
 ●食事内水分摂取の頻度:β=0.096(95%CI:0.288~1.535)、p=0.004
 ●辛い食品の消費量:β=0.076(95%CI:0.098~1.508)、p=0.02
これらの関連は、完全に調整されたモデルでは消失した。

・朝食の摂取量、揚げ物の摂取量、咀嚼能力、歯の喪失は、うつ病スコアとの有意な関連は認められなかった(p>0.05)。

(鷹野 敦夫)