コロナワクチン、医師はいくらまで払う?/1,000人アンケート

提供元:ケアネット

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公開日:2022/08/05

 

 第7波の到来により、医療者へもコロナワクチン4回目接種が始まった。6月にCareNet.comが会員医師に行った『ワクチン4回目接種、あなたは受けたい?/会員医師1,000人アンケート』の結果によると、回答者の7割が接種したいと回答していた(対象となったらすぐに接種したい:33%、対象となったら時期をみて接種したい:36%)。

コロナワクチンがいくらなら妥当かを調査

 ところで、コロナワクチン接種は現時点では全額公費負担(厚生労働大臣の指示に基づき国の負担により実施することを踏まえ、全国統一の単価で接種1回あたり2,070円[消費税については、定期接種の予防接種と同様の取り扱い。ワクチン代はワクチンを国が確保し供給するため含まれていない1)])であり、自分の懐が痛むことはない。だが、将来的に新型コロナワクチン接種が定着した場合は自己負担になる可能性が高く、もしも費用負担が発生したら、医師も接種を控えたいと考えるのだろうか。さらには、ほかのワクチンとの兼ね合いを考慮した適正価格や、患者負担の許容範囲はいくらが妥当と捉えているのだろうかー。

 そこで、今回『コロナワクチンが自己負担になったら、いくらなら妥当?』と題し、会員医師1,000人を対象に、以下の項目について調査を実施した。

・コロナワクチンが自己負担/保険診療になった場合、受けたいか否か
・コロナワクチン1回あたりの自己負担額とその理由
・自身の患者がコロナワクチン接種を受ける場合、1回あたりいくらまでなら受けるか
・コロナワクチンは、将来的に年に何回接種することになるか(予想回数)

コロナワクチン自己負担…接種したい医師が減少

 Q1「コロナワクチンが自己負担もしくは保険診療になった場合、受けたいと思いますか?」では、受けたいと回答したのは60%と、4回目接種希望者アンケートと回答者が異なるものの、自己負担に抵抗を感じている医師が一定数いることが明らかになった。なかでも、“受けたくない”との回答が最多だったのは30代で、わからないとの回答者も合算すると48%と約半数にのぼった。

コロナワクチンを受けるなら中央値は2,500円

 続いて、Q2「ご自身がコロナワクチン接種を受ける場合、自己負担がいくらまでなら受けたいと思いますか?(1回あたりの金額)」では、Q1の受けたくない・わからないの回答者も含むため、0円(33%)の回答者が最も多かった。次に3,000~4,000円未満(26%)、5,000円以上(15%)と続いた。0円(無料)を希望したのは20~40代が多く、その理由として以下のようなコメントがあった。

・効果が限定的だから(20代、糖尿病・内分泌内科)
・副反応がきついため(30代、消化器科)
・基礎疾患のある者が受ければよい(30代、外科)
・4回目以降のデータがまだ不完全(40代、呼吸器科)
・コロナワクチンの効果と副反応のバランスに疑問があるため(40代、放射線科)

なかには「お金をもらっても受けたくないです(30代、精神科)」と言う声も。年齢層が低いほど副反応が出やすいため、20~40代では上記のような意見が多くみられた。

コロナワクチン、いくらまでなら患者は受けるか

 Q4「ご自身の患者さんがコロナワクチン接種を受ける場合、いくらまでなら受けると思いますか?(1回あたりの金額)」では、3,000~4,000円未満(30%)との回答者が最も多く、中央値は3,000円だった。インフルエンザワクチンの場合、全国平均は3,500円との試算があり、それに準ずる金額にすることで、多くの患者さんに打ってもらいたいと考える傾向にあった。

コロナワクチン接種回数、医師の観測的希望は1~2回

 ウイルス変異によるコロナワクチンの効果などにはまだまだ未知なる点が多いため、観測的希望に過ぎないが、将来の接種回数を現時点の印象から伺ったところ、「2回」が41%と最も多かった。

 オミクロン株亜種であるBA.4および BA.5が猛威を振るい、これまで接種したコロナワクチンの有効性を疑問視する声もあるため、本結果ではワクチンの継続接種に難色を示す方もいた。だが、ファイザー社やモデルナ社(オミクロン株に対する2価追加接種ワクチン候補mRNA-1273.214)オミクロン株対応ワクチンが今秋にも導入されると言われており、コロナワクチンの将来性に期待したい。

アンケートの詳細は以下のページで公開中。
コロナワクチンが自己負担になったら、いくらなら妥当?

<アンケート概要>
目的:新型コロナワクチンに自己負担が発生した場合、これまで通りに接種を
希望するかどうかなどを調査するため。
対象:ケアネット会員医師1,000人
調査日:2022年7月15日
方法:インターネット

(ケアネット 土井 舞子)