アストラゼネカは2022年8月25日、PARP阻害薬オラパリブ(商品名:リムパーザ)について、「BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術後薬物療法」の適応症を対象に、8月24日付で厚生労働省より承認を取得したことを発表した。
オラパリブの乳がん術後薬物療法の適応承認と第III相OlympiA試験
今回の乳がん術後薬物療法の適応症を対象とした承認は第III相OlympiA試験の結果に基づくもので、オラパリブはプラセボと比較して主要評価項目である浸潤性疾患のない生存期間(iDFS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示した。具体的には、オラパリブは浸潤性乳がんの再発、二次がん、または死亡リスクを42%低下させた(ハザード比[HR]:0.58、99.5%信頼区間[CI]:0.41~0.82、p<0.0001)。
副次評価項目においては、2回目の全生存期間(OS)中間解析において、オラパリブはプラセボと比較してOSの統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示し、死亡リスクを32%低下させた(HR:0.68、98.5%CI:0.47~0.97、p=0.009)。なお、同試験におけるオラパリブの安全性および忍容性プロファイルは、過去の臨床試験のプロファイルと一貫していた。
<製品概要>
・販売名:リムパーザ錠 100mg、リムパーザ錠 150mg
・一般名:オラパリブ
・効能・効果:
BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳がんにおける術後薬物療法
・用法・用量:通常、成人にはオラパリブとして1回300mgを1日2回、経口投与する。ただし、術後薬物療法の場合、投与期間は1年間までとする。なお、患者の状態により適宜減量する。
・製造販売承認日:2022年8月24日
(ケアネット 遊佐 なつみ)