Moderna(米国)は11月14日付のプレスリリースで、オミクロン株対応2価ワクチン候補mRNA-1273.222について、オミクロン株(BA.4/5)に対してmRNA-1273のブースター用量と比較して優れた抗体反応が得られたことを発表した。
同社が実施した第II/III相試験では、ワクチン接種歴のある19~89歳の511名を対象とし、前回のワクチン接種から約9.5ヵ月後にmRNA-1273.222を、約4.5ヵ月後にmRNA-1273をそれぞれ接種した。
mRNA-1273.222とmRNA-1273のオミクロン株BA.4/5幾何平均抗体価(GMT)は、ブースター接種前のSARS-CoV-2感染者と非感染者でそれぞれ5.11(95%信頼区間[CI]:4.10~6.36)と 6.29(95%CI:5.27~7.51)であった。すべての参加者において、オミクロン株BA.4/5 に対するGMTは4,289(95%CI:3,789.0~4,855.9)で、ブースター接種前から15.1倍(95%CI:13.3~17.1)上昇した。感染歴のない被験者では、GMTは2,325(95%CI:1,321.2~2,812.7)であり26.4倍(95%CI:22.0~31.9)の増加、感染歴のある被験者では、GMTは6,965(95%CI:6,043.7~8,025.4)でありブースター接種前から9.8倍(95%CI:8.4~11.4)上昇した。なお、65歳以上の被験者と18~65歳未満の被験者の間で、一貫した結果が認められた。
今回の結果は、同社のBA.1対応2価ワクチンであるmRNA-1273.214が、mRNA-1273のブースター用量と比較して複数のオミクロン変異株に対する中和抗体価に優れることを確認したNEJM誌に発表されたデータに基づく。mRNA-1273.214においては、50μgブースター用量が、mRNA-1273のブースター用量と比較してオミクロンBA.1およびオミクロンBA.4/5に対して優れた中和抗体反応を引き起こし、その優位性は少なくとも3ヵ月間継続した。
mRNA-1273.222およびmRNA-1273.214の副作用の発現頻度は、2回目または3回目のワクチン接種の場合と同様かそれ以下であった。また、どちらも約1ヵ月、約3ヵ月の追跡調査後、新たな安全性の懸念は確認されなかった。これらの安全性および免疫原性データは、査読付きの論文として提出され、世界中の規制当局と共有される予定だとしている。
(ケアネット 細川 千鶴)