5類移行後も「コロナ特例はすべて継続」求める/日医

提供元:ケアネット

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公開日:2023/03/03

 

 日本医師会会長の松本 吉郎氏は3月1日の定例記者会見で、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への変更後の発熱外来診療体制の維持・充実に向けて、日本医師会の取り組みや意見を述べた。

 「類型の変更後には、新規感染者数が過去の感染拡大を大幅に超える事態も想定される。新規感染者数の把握方法が定点報告に基づくことになり、これまでとの比較も困難になるため、入院や外来の医療逼迫度合いが最も重要な指標になる。日本医師会では、外来の医療提供体制、とりわけ現在の約4万2,000軒の診療所・病院による発熱外来診療体制の維持が重要」と前置きした上で、「これまで季節性インフルエンザの検査・診療を行ってきた医療機関の新規参画、かかりつけ患者のみを受け入れてきた医療機関の幅広い患者の受け入れが重要である」と協力を求めた。

 また、地域外来検査センターや宿泊療養施設での健康観察などを行う「COVID-19 JMAT」に登録された医師、看護職員、薬剤師、事務職員などは延べ17万人であり、各地域の独自の取り組みを合わせると数十万人と見込まれることに言及し、「各地のコロナの対応、コロナと通常医療の両立という現場の努力は適切に評価されてしかるべき」と強調した。

 2月28日には、都道府県医師会宛ての通知「新型コロナウイルス感染症の5類感染症への変更後の発熱外来診療体制の維持・充実に向けて(協力要請)」を出している。

「コロナ特例はすべて継続」求める

 常任理事の長島 公之氏は、今後の新型コロナウイルス感染症の診療報酬上の特例の取り扱いについて、中央社会保険医療協議会で審議が行われたことを報告した。

 類型が変更となってもウイルスの感染性と感染対策の必要性は変わるものではないことを強調した上で、「医療現場は今後も引き続き感染対策を講じる必要がある。診療報酬上の特例はすべて継続すべき」と述べた。

(ケアネット 森 幸子)