ICI肺臓炎に対するプレドニゾロン6週間治療/日本臨床腫瘍学会

提供元:ケアネット

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公開日:2023/04/13

 

 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)による免疫関連肺臓炎(irP)に対するプレドニゾロン6週間漸減療法の効果が示された。第20回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2023)における、浜松医科大学の柄山 正人氏の発表。

 irPはICIの重篤な有害事象(AE)であり、がん治療の経過にも大きく影響する。irPの標準治療は全身性ステロイドの投与だが、前向き試験は行われておらず、投与量・期間は明らかになっていない。そのような中、柄山氏らは、irPに対するプレドニゾロン6週間漸減療法の有効性と安全性を評価する前向き多施設単群第II相試験を行った。

対象:ICI投与後にGrade2以上のirPを発症したがん患者(n=56)
介入:プレドニゾロン 1mg/kg/日を投与、6週間で漸減
評価項目:
[主要評価項目]6週時の肺臓炎制御率
[副次評価項目]12週時の肺臓炎制御率、肺臓炎再発率、安全性

 主な結果は以下のとおり。

・56例中51例が試験治療を完遂した。
・対象の年齢は72歳、男性が85.3%、irPの重症度はGrade2が62.5%、Grade3が33.9%、Grade4が3.6%であった。
・がん種は、肺がん67.9%、腎がん10.7%などであった。
・6週時のirP制御率は91.1%(80.7〜96.2)であり、事前に設定した閾値(下限70%、上限85%)を上回った。
・12週時のirP制御率は57.1%であった。
・AE発現率は全Gradeで66%、Grade3/4では18%であった。

 柄山氏は、irPに対するプレドニゾロン6週間漸減療法は有効かつ安全な治療選択肢であるとの結論を述べた。

(ケアネット 細田 雅之)