実臨床におけるアリピプラゾール月1回製剤の評価~REACT研究

提供元:ケアネット

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公開日:2023/04/26

 

 統合失調症患者に対する長時間作用型注射剤(LAI)抗精神病薬による治療は、さまざまなベネフィットをもたらす可能性がある。ドイツ・ハンブルク・エッペンドルフ大学医療センターのDaniel Schottle氏らは、実臨床におけるアリピプラゾール月1回製剤(AOM)の有用性を評価するため、ドイツとカナダで実施された2つの非介入研究の結果を分析した。その結果、AOM治療は、性別、年齢、罹病期間、疾患重症度を問わず、幅広い患者に有効な治療法である可能性が示唆された。BMC Psychiatry誌2023年3月14日号の報告。

 ドイツとカナダで実施された2つの非介入研究よりプールしたデータを分析した。実臨床下において、患者に対しAOM治療を行った。6ヵ月間のデータを分析した。簡易精神症状評価尺度(BPRS)のドメインおよび項目、患者サブグループ(性別、罹病期間[5年]、ベースライン時の疾患重症度)のBPRS総スコア、全対象患者およびサブグループにおける臨床全般印象度の改善度(CGI-I)の評価、全対象患者における併存疾患に関するデータを分析した。

 主な結果は以下のとおり。

・対象患者数は409例。
・併存疾患が認められた患者は65.5%であった。
・すべてのBPRSドメインおよび項目で改善が認められた。
・男女、罹病期間(5年以内または5年超)、ベースライン時の疾患重症度レベルの差異があったとしても、同様の改善が認められた。
・若年、女性、短い罹病期間の患者において、より良好な結果が認められた。

(鷹野 敦夫)